「空耳」争点の裁判で弁護側が控訴 懲役2年の量刑に不服 検察側は控訴せず
強盗目的で民家に侵入し、住人にけがを負わせたとして強盗致傷罪などに問われ、〝空耳〟が争点となっていた裁判員裁判で、オットー・ダニエル・マシュー被告(33)=豪州国籍=の弁護側は1日、懲役2年の実刑とした東京地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。検察側は期限までに控訴しなかったため、控訴審で1審判決を上回る刑が言い渡されることはない。 被告は昨年6月23日夜、東京都新宿区の住宅に侵入。金品を奪おうとして未遂に終わり、住人の70代男性にけがを負わせたとして起訴された。 検察側は被告が「強盗だ!」などと脅迫したと主張。被告側は「Go to a door(ドアに向かえ)!」といった英語の聞き間違えだと反論し、〝空耳〟だったかが争点となっていた。 先月18日の1審判決は、被告の説明は信用できないが、被害者が何らかの発言を聞き間違えた可能性も否定できないと指摘。強盗目的だったとまでは認定できないとして、傷害と住居侵入の罪で懲役2年(求刑同6年)を言い渡した。