日本企業のCO2輸出計画が急増 地中に貯留、現地反発も
脱炭素対策の一環で日本企業が二酸化炭素(CO2)を東南アジアなどに輸出し地中にためる計画が過去2年ほどで急増し、少なくとも13件に上ることが7日、共同通信のまとめで分かった。電力や製鉄、石油元売りといった排出量の多い企業が参画、早ければ2030年前後の開始を見込む。 CO2の地中貯留は政府も30年の実用化を見据える。国内には適地とされる枯渇したガス田などが少なく、海外でも推進する姿勢を示す。一方、地中貯留は低コスト化が課題で、商業ベースで実用化した例は世界でも限られる。先進国が出したCO2の受け入れには現地で反発も出ており、日本政府や企業の思惑通りに進むかどうか見通せない。 CO2が大気中に放出される前に発電所や工場などで回収し、地下深くに封じ込める技術はCCSと呼ばれる。 三菱商事やENEOS(エネオス)など4社は、東京湾周辺の火力発電所や製油所から出るCO2を液化し、船でマレーシアに輸送し貯留するCCS事業の検討を進める。中部電力などはインドネシアで貯留する実現可能性の調査に着手した。