KBSの弁護士、チョン・ジュニョンによる違法撮影の被害者に圧力も…「1泊2日」当時の裏側が明らかに
歌手チョン・ジュニョンに関するドキュメンタリーが公開された中、KBSの弁護士が違法撮影の被害者A氏に圧力をかけた事実が明らかになった。 イギリスのメディアBBCは19日、BBC World Service、BBC Newsコリアなど公式チャンネルを通じてドキュメンタリー「Burning Sun:Exposing the secret K-pop chat groups-BBC World Service Documentaries」を公開した。BBCの探査報道チームであるBBC Eyeは5年前に浮上した元BIGBANGのV.I、歌手チョン・ジュニョン、FTISLAND出身のチェ・ジョンフンらが起こしたいわゆるバーニングサンゲートに関するドキュメンタリーを制作した。 チョン・ジュニョンは2016年9月、交際していた女性との性行為の様子を無断で撮影した疑いで訴えられた。この事件により、レギュラー出演していた「1泊2日」から一度は降板したが、2017年1月に復帰した。当時、事件を捜査した警察と検察は彼に犯罪容疑がないとし、事件を終結させた。 当時、「1泊2日」の制作陣は「自粛の時間を過ごしていた『1泊2日』のメンバー、チョン・ジュニョンが、2017年1月から『1泊2日』へ復帰することになりました。彼に嫌疑がないことが明らかになって以降、復帰に関する話題が相次いでいるため、『1泊2日』のメンバーやスタッフはチョン・ジュニョンの復帰への本格的な論議を始めました。これまでの視聴者の皆様のご心配や愛情に、スタッフやメンバーたちは心から感謝しております」と正式コメントを発表した。 しかし復帰後、再び性犯罪に関する疑惑が浮上した。2016年1月に江原道(カンウォンド)洪川(ホンチョン)、同年3月に大邱(テグ)でチェ・ジョンフンと2回に渡って泥酔した女性を集団性暴行した疑いが2019年3月、ようやく世間に知られたのだ。彼は、女性と性行為をする様子を盗撮した後、グループチャットや個人チャットで複数の知人たちに共有した疑い(違法撮影物の流布)が持たれた。 彼は2019年11月、第1審宣告公判で懲役6年を言い渡され、控訴した。第2審裁判所は2020年の宣告公判で懲役5年を言い渡し、1年を減刑した。それでも彼は検察と同様に第2審宣告に不服を申し立てた。最高裁は2020年9月に行った上告審で、第2審と同様に懲役5年を言い渡した。彼は今年3月19日、全羅南道(チョルラナムド)木浦(モクポ)刑務所で刑期を終え、出所した。 一度訴えられた彼を番組に復帰させただけに「1泊2日」の制作陣も責任を問われた。 これと関連し、チョン・ジュニョンの違法撮影疑惑を初めて報道したスポーツソウルのパク・ヒョシル記者は、BBCドキュメンタリーで「2016年9月23日、チョン・ジュニョンが性犯罪で訴えられた事実を一番先に報道した記者」と自身を紹介した。それから「私たちが受け取った情報はチョン・ジュニョンが盗撮をして、恋人から違法撮影の疑いで訴えられたという内容だった」と語った。 BBCドキュメンタリーによると、チョン・ジュニョンはA氏と自宅で性行為をしていたところ、違法撮影をし、現場でA氏に見つかった。A氏はこの映像が流布されるかもしれないという不安感で彼を違法撮影の疑いで告訴した。 チョン・ジュニョンは2日後、警察の取調べを受けた。しかし、携帯電話を警察に渡さず、民間の業者にフォレンジック(保存されている文書ファイルやアクセスログなどから、犯罪捜査に有効な法的証拠を探し出すこと)調査を依頼した。警察は彼の携帯電話を直接調査しない代わりに報告書の提出を要請した。バーニングサンゲートを主導的に取材したカン・ギョンユン記者は「削除されたのが復元されるのではないか心配したと思う。なので弁護士と相談して民間のフォレンジック業者に依頼することになった」と言った。パク・ヒョシル記者は「捜査そのものを適当に終結させることに意味を置いた捜査だったことが分かっている」と説明した。 その後、チョン・ジュニョンがフォレンジック業者に圧力をかける内容の録音記録も公開された。チョン・ジュニョンは業者に「警察はむしろ復元できない方が好都合だという 様子だった」と伝えた。 パク記者によると、当時、KBSの弁護士はチョン・ジュンヨンを告訴したA氏に接触したとし、「弁護士の話が証拠不十分なら、逆にあなたが誣告罪で大きな罰を受けるかもしれないと言われ、被害者は恐怖を感じたという。それが理由で、告訴を取り下げたそうだ」と明らかにした。 圧力を受けたA氏は結局、チョン・ジュニョンには過ちはないと謝罪し、彼は汚名を払拭するとして記者会見を開いた。その後、彼は悲劇の被害者となり、「1泊2日」への復帰が可能になった。自身の携帯電話のコピーが存在するという事実を知らなかった彼は、2015年から2016年に交わしたグループチャットの会話の内容が後々議論となり、バーニングサンゲートで一歩遅れて法の裁きを受けることになった。
ファン・ヘジン