特産品が必修科目、地元の高校でワイン授業 町長自ら教壇で講義
【北海道池田町】池田高校(富永学校長、生徒83人)は10月、1年生の必修科目で、町を代表する特産品のワインについて学ぶ機会を設ける。池田町ブドウ・ブドウ酒研究所の職員を講師に、ブドウの収穫体験やワイン製造工程の見学など現地研修に臨む。初回は安井美裕町長が十勝ワインの概要について講義する。(澤村真理子) 北海道が日本を代表するワイン産地の一つとして存在感を高める中、町ではかねて、総合学科の特色づくりの一つとして、ワイン授業の実施について同校に働き掛けてきた。 7月下旬、町の担当者と富永校長らで協議し、「地域の子が地域の産業、資源を再確認できる大切な機会」(同校)として試行を決めた。富永校長は「生徒の評判や先生の声を聞いて、来年度以降について検討していきたい」とする。 授業は1年生の必修科目「科学と人間生活」(2単位)。同科目は地理、生物、地学、化学の4分野で構成される。ブドウ栽培は生物、ワインの発酵は化学に該当するため、同科目が適していると判断した。10月に3日間、計5コマを当て、ブドウの収穫体験や圧搾作業などを見学する。 自ら教壇に立つ安井町長は「最後は学校の判断になるが、今後拡充していくことになれば、町としても積極的に協力していきたい。魅力ある高校の一つの可能性となれば」と期待する。 町内では池田中学校の1年生が総合学習でブドウの収穫を体験しており、そのブドウを原料としたワインが成人式でプレゼントされている。