伊勢友の会、地域奉仕に力、秋の褒章、喜びの声
「会は、来年創立90周年。これまでの会員たちの地域奉仕活動の歩み、積み重ねが認められ、大変光栄に思います」と、中西澄子代表(53)は喜びを語る。 明治35年に創刊された雑誌「婦人之友」の愛読者の集まりから始まった全国組織「友の会」。その中で伊勢友の会は、昭和10年に発足した。長年にわたり、家事や家計簿の記帳、子どもの教育、食事の工夫など家庭生活向上のための活動を続けるとともに、地域での奉仕活動や各地への災害支援に力を注ぐ。令和元年には、厚生労働大臣表彰を受けた。 現在会員は、伊勢、鳥羽、志摩各市と度会郡の30―90代の女性50人余り。「家庭は簡素に社会は豊富に」を理念に、家計に関する勉強会や、乳幼児親子を対象とした子育てにまつわる催し、環境に優しい料理や手芸の教室などを企画し、幅広い世代の女性が共に学びあい、子育てや家事の悩みを共有できる居場所づくりに取り組む。 近年は、地域の独居老人に手作り弁当を届ける活動や、市社会福祉協議会と連携して、生活困窮家庭の学習支援事業に参加する子どもたちに、毎月、手作りパンを届けるなど、心を込めた食の支援も行う。今年の能登半島地震、奥能登豪雨の被災地支援では、全国組織と連携し、手作りのクッキーやスモックエプロン、雑巾などを被災地に送った。 中西代表は「心の豊かさを求めて活動を続けている。働く女性が増え、限られた時間の中で『家庭は簡素に社会は豊富に』の理念をどう実践していけるか考え、同じ志を持つ仲間を増やしたい。会の活動を通し、できる限りの地域への奉仕、社会貢献を続けていくことが使命だと思っています」と語った。