ダカール2025、HySEが水素燃料エンジン車「HySE-X2」投入
カワサキ、スズキ、ホンダ、ヤマハ、トヨタなどが参画するHySE(技術研究組合水素小型モビリティ・エンジン研究組合)は11月12日、サウジアラビアで2025年1月3日~17日の期間開催されるダカールラリー「ダカール2025」に、水素燃料エンジン車「HySE-X2」で参加すると発表した。 【画像】HySE-X2(完成予想図) 「HySE-X2」は、カーボンニュートラルへ向けた次世代パワートレーン搭載車両のために設けられるカテゴリー“Mission 1000 ACT 2”に、ドライバーに池町佳生選手、コ・ドライバーにPaulo Marques選手のコンビで挑戦する。 水素燃料エンジン車「HySE-X2」は、水冷4ストロークの直列4気筒DOHC4バルブ 998ccスーパーチャージドエンジンを搭載、ボディサイズは4000×2000×1900mm(全長×全幅×全高)、車両重量は1250kg。水素タンクは70MPaのものを4本搭載。前回では3本であったものを、今回は車体レイアウトを改良し4本に増設、水素搭載量は7.2kgとした。 HySEでは、2024年1月にダカールラリーに2024年から新設された“Mission 1000”カテゴリーに、研究活動で用いているモーターサイクル用水素燃料エンジンを搭載した「HySE-X1」で出場し、最終日まで走り切り、クラス4位となった。 2回目となる今回の参加では、高回転域の出力特性向上や低中回転域での燃費改善、水素タンクの増設などの新たな技術課題に挑戦するために「HySE-X1」からエンジンおよび車体をさらに進化させた「HySE-X2」を投入する。 全世界で注目されるダカールラリーへの参加を通じ、HySEのプレゼンスや取り組みをアピールすることで、水素小型モビリティの実現に向けたグローバルで業界の垣根を超えた仲間づくりを引き続き図っていくとしている。 HySEダカール2025現地責任者を務める、スズキの甲斐大智氏は「2025年のダカールラリーにエンジンおよび車体をさらに進化させたHySE-X2で参加することとなりました。2024年の「HySE-X1」で抽出した課題の対策効果を確認すること、エンジンのさらなる限界領域にチャレンジすることで水素小型モビリティ・エンジン技術へ貢献します。活動の内容は、HySEのInstagramでも発信しますので、応援のほど、よろしくお願いいたします」とコメントしている。 なお、HySEは、11月18日から11月22日までベルギーのブリュッセルで開催される水素に特化した欧州最大の年次イベント「EUROPEAN HYDROGEN WEEK」のHALL7・M20「Automobile Club de l'Ouest」ブースに「HySE-X2」(実車両)を展示する予定。
Car Watch,編集部:椿山和雄