ニート170人超「全員が取締役」今月会社を設立へ
「ニート」全員が取締役となり、会社を立ち上げるというプロジェクトが進行している。会社名は「NEET株式会社(仮称)」。彼らは全員、現在は職に就いていない、いわゆるニートだ。10月30日には、会社定款の委任状に立ち上げメンバーが押印した。取締役として参加するニートは170人超。11月21日に登記して正式な会社発足を目指す。 [写真]ニートだけの会社 ガバナンス論に一石も
数メートルに及ぶ委任状
10月30日、東京の国立オリンピック記念青少年総合センター。 この日は、会社定款の委任状と取締役就任の承諾書に、発起人メンバーのニートたちが押印するために集まった。会場には、数メートルに及ぶ委任状にメンバーの名前がずらりと記されていた。委任状は発起人の人数分の割り印が必要で、通常の形式の書面では人数が多すぎて全員が印鑑を押せないので、巻き物状の委任状になったという。発起人は135人だが、最終的に取締役に名を連ねるのは175人になる。 押印をすませた発起人メンバーの男性は「会社がうまくいくかどうかはわからない。でも仕事を与えてもらう感じではない。とりあえず自分で動かなきゃ」と前向きに語った。
今年6月に説明会
この構想は、今年1月に、NPO法人「中小企業共和国」理事長の安田佳生さんが、人材組織コンサルタントの若新雄純(わかしん・ゆうじゅん)さんに話を持ちかけたことから始まった。安田さんは、倒産した人材コンサルティング会社ワイキューブの元経営者。このプロジェクトの設立までの準備資金は安田さんが支援したが、新会社では経営には関わらず、外部から顧問という形でサポートする。 6月に開いた説明会にはネット参加も含めると全国で3000人以上が視聴した。それ以降、リアルに集まっての会合やスカイプで会社や事業内容などについて議論を重ね、最終的には取締役に就任予定の170人超が残った。取締役は、1人6000円ずつ出資して株主となり、資本金は計105万円になる。全員が対等だが、形式上、若新さんが代表取締役になる。