【特集】コメの商談会で「譲ってもらわんなら帰りません」すでに争奪戦 コメの価格の高止まり 今後の見通しは? 《新潟》
■「譲ってもらわんなら帰りません」商談でも争奪戦
より多くの人にコメが届くように。 県は11月、東京で業務用米の商談会を開きました。 県内の生産者や卸売業者、JAなどが構えたおよそ30のブースに自慢のコメが並びます。 やって来たのは卸売業者や商社、弁当などを提供する中食業者など様々…… 赤いIDカードを首から下げ商談にのぞみます。 JA佐渡のブースで話していたのは兵庫の卸売業者です。 〈兵庫の卸売業者〉 「安定的にいただけるかどうか。このご時世、情勢ですんで、入ってこない可能性もあるってすでに言われたりとか。なので、できたら直接の農協さんと契約出来たら1番ありがたいなとは思って」 上越市にある集荷業者のブースでは…… 〈熊本の卸売業者〉 「ちょっと譲ってもらわんなら帰りませんくらいの勢いで(笑) 何かしら爪痕残して帰らんとダメかなというところで(笑) ちなみにですけど、コメはあるでしょうか?」 〈集荷業者・大黒屋商店の担当者〉 「モノは正直言って非常に少ないです」 すでに始まっているコメの争奪戦。 全国各地の業者が少しでも多く買い付けようと交渉していました。 〈熊本の卸売業者・ミヤタ 川口 信弘 部長〉 Q.爪痕は残せたか 「はい残せました。ありがとうございます。少しは熊本に持って帰れると思うので大変良かったです」 コメの価格については…… 〈熊本の卸売業者・ミヤタ 川口 信弘 部長〉 「あんまり上がってほしくないというのはあるが、仕方ないところもあるので、これはもう流れにお任せするような感じですかね」 〈兵庫の卸売業者・トウバン 戸田和志 専務取締役〉 「争奪戦の結果、値段が上がっている状態が続いているような感じ。来年の秋口以降までコメを確保する必要があるので、そうすると高いおコメでも無理にでも買ってしまって、私どもの在庫として確保する必要がありますんで」
■先物取引も“高止まり”
コメの価格はこの先どうなるのか…… 2024年8月、大阪にある堂島取引所でコメの先物取引が本格的にスタートしました。 先物取引とは、将来取り引きする際の価格をあらかじめ決めてしまう仕組みです。 将来の市場価格の変動に左右されず利益の見通しを立てやすくなります。 〈大阪府 吉村 洋文 知事 (あいさつ)〉 「日本のコメってすばらしいので、おそらくこれからどんどん海外の需要も増えてくると思います。需要が増えてくる中で、この生産と取引の安定、リスクヘッジ。そういった機能を果たすことになるんだろうと。いわゆる一つの世界的な指標にこの堂島コメ平均がなればいいなと思っています」 ことしの卸売業者の取引価格では2月から8月までは60キロ1万6000円前後です。 新米が出回った10月以降、2万3000円余りに跳ねあがっています。 そして、先物取引によると、来年はそのまま2万円台で推移しています。 11月、新潟市で開かれたセミナーでマイクを握ったのは、堂島取引所の有我渉社長です。 コメの価格について今後の見通しを聞くことができました。 〈堂島取引所 有我 渉 社長〉 「取引所なので価格に関して予見を与えるようなことは申し上げられないが、いま10月限の数字を見てみると、ことしの高いといわれている新米の値段とほぼ同じ水準なので、高止まりするのかなと今は見ています」 急激な価格の高騰に戸惑う声も聞かれる中、これが適正価格として定着していくのか。 この1年はその狭間の年となりそうです。