学校や社会で感じるモヤモヤを晴らすには。校則を変えた上野我唯が語るアプローチと考え方
「敵対視」しないマインドから、対話が生まれる
── 実際、男女差がない校則に変わってみて、周りになにか変化はありましたか? まぁ実際、男女間の校則が変わっても大半の人がいつも通りの日常を送っていたわけなんですけど(笑)。うちのクラスにいた髪の毛が短い女子生徒が、すごくうれしそうにズボンを履いてきていたのを見た時は、なんだか僕もうれしくなりましたね。 校則ができたころと比べて時代はどんどん変化しているので、時代に合わせて校則も見直さなきゃいけないと思います。僕は、校則に限らずルールというものは組織づくりにおいて、必要な場合が多いと思っているんです。一人ひとりが何がよくて何がダメかを考えながら生きていけるんだったら、もしかしたらルールがなくてもいいのかもしれないけれど、現実はそうじゃない。組織をまとめたり一貫性を持たせるものでもあるので、悪いものとは感じないですね。集団の中の大半の人が納得できないルールになっていたり、ルールの管理や見直しをしていなかったりするケースが多いところが問題なだけなんです。
── 上野さんは、自分が理不尽に感じることをそのまま伝えても理解してもらえなかったことから、自分のアプローチ方法や考え方を変えました。これは会社の中で「理解してくれない上司を説得する」とか「プロジェクトを通す」といった時にも使える考え方じゃないかなと思います。 アプローチの仕方次第でOKが出る企画書やアイディアはたくさんあるんじゃないかな。自分の意見が通らないと、理解してくれない相手と対立してしまうのは、あらゆる人間関係で起こりうること。 そうじゃなくて、どうしたら協力してくれるか?というスタンスで接した方がいいと思うんです。僕の場合、学校が発言しやすい環境だったし、いい先生が多かったこともあって、普段から多くの対話を重ねていました。でも実際、みんなそれぞれの仕事があって一人ひとりと常にコミュニケーションを取ることって難しい。だからこそ、敵対心を持たない姿勢が大切で、そのマインドから対話はスタートすると思います。