『グラディエーターII』前作で叶えられなかった<VSサイ・サメ・ヒヒ>バトルが24年越しに実現!
■コロセウムに張られた水面にうごめく、血に飢えたサメ
予告映像の公開時、一面の水がコロセウムに満ち、人喰いザメがそこかしこに泳ぎ回っている命がけの模擬海戦シーンが話題に。作中屈指の大迫力アクションシーンとなっているこの場面は、驚くことに史実からインスパイアされており、当時のローマ人はコロセウムに水を引き込むための精巧な水道橋まで建設したのだという。 スコット監督は「かつて闘技場に水を張り、そこで海戦が行われていたことも知っていたし、その水中にウツボを放して、人が落ちたらウツボに襲われるようにしていたことも知っていた。彼らが成し遂げたことを考えてみてほしい。あんなコロセウムを建設できるなら、海洋生物を中に入れることもできるはずだ」と、登場させた背景を語っている。 無数のサメがうごめく水上で大型船同士がぶつかりあう、落ちたら即死の手に汗握るスリルMAXの闘いにも注目だ。
■ルシアスの怒りを引き出す、鋭い牙を持つ獰猛(どうもう)なヒヒ
主人公ルシアスが、鋭い牙を持つ獰猛なヒヒと一騎打ちをする場面も、本作で一・二を争う熱いバトルシーンに仕上がっている。ヒヒを登場させるに至ったのは、実際に南アフリカの駐車場で起きたヒヒによる観光客襲撃事件のビデオがきっかけだそうで、スコット監督は「まったくのカオスだった。ヒヒは肉食動物で、人を襲うし体重は40キロほどもある。人の腕を引きちぎることができるんだ」と、映像に衝撃を受けた様子。映画ではそのビデオに登場する本物のヒヒの1匹をモデルにしており、「彼は脱毛症で毛がなかった。本当に筋肉質なのがわかるだろう」と、より凶暴さが際立つそのビジュアルで採用したことも明かした。 撮影時はスタントマンが動きを演じ、その後CGIでリアルなヒヒを表現。本作のスタント・コーディネーターのニッキー・バーウィックはヒヒの歩行に近づけるため、各スタントマンに脇の下にフィットする短い松葉杖を用意したという。そんな細部へのこだわりが詰まった結果、リアルに凶暴なヒヒに仕上がっており、観る者を鳥肌モノの恐怖へと引きずり込む。 先日来日を果たしたポール・メスカルは「大きな船に乗ったり、サイ、ヒヒとも戦った。バトルもレベルアップしているのは技術の進化もありますし、物語としてもさらに大きな使命が懸かっているからで、観客の皆さんにも楽しんでいただくためですね」とコメント。スコット監督の発想力と知恵、そして前作『グラディエーター』の撮影時とは比べ物にならないほど発展した技術が集結して創り出されたこの猛獣たちは、本作の“裏の主役”とも言える存在感を放っている。 映画『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』は公開中。