LINEヤフー株巡る日韓親会社の協議が本格化-韓国政府はけん制
(ブルームバーグ): 韓国のインターネット最大手ネイバーは、LINEヤフーの資本再編問題を巡って、持ち分の売却を含めてあらゆる可能性をオープンにしつつ、ソフトバンク側と真摯(しんし)に協議していると発表した。一方、韓国政府は株式売却に関して日本政府から圧力があるとの認識を示し、遺憾の意を表明した。
ネイバーは10日発表文で、自社の将来の成長可能性を高め、株主価値を最大化するため、今後もリソースの活用と投資について戦略的に検討し、見直しを進めるとした。LINEヤフーの資本見直しに関しての詳細は明らかにしていない。
一方、韓国の科学技術情報通信省のカン・ドヒョン第2次官は、ネイバーの発表後に開いた会見で、日本政府からの株式売却圧力を遺憾だとした上で、不当な措置には強力に対応すると述べた。韓国政府がネイバーや日本政府と意思疎通をしているとした上で、ネイバーの立場を全面的に尊重するとの見解を示した。
現在、ソフトバンクとネイバーはLINEヤフー株の64%を保有する中間持ち株会社の株式を50%ずつ保有する。
韓国、日本政府からの株式売却圧力に遺憾の意-LINEヤフー巡り
昨年11月、LINEヤフーは、ネイバー関連会社の従業員が所持するPCがマルウェアに感染し、不正アクセスを受けたことが判明、ユーザー情報など約52万件が流失した。これを受けて総務省は、通信の秘密を含む情報漏えいはセキュリティー上の重大な事案だとして、安全管理と親会社とグループ全体でのガバナンスの本質的な見直しを求め、行政指導を行った。
LINEヤフーの出沢剛CEO(最高経営責任者)は8日、行政指導に至った大規模な情報漏えい事案を受け、ガバナンス(企業統治)の観点からソフトバンクが過半を取るよう資本構成の見直しを親会社のソフトバンクとネイバーに要請していると明らかにした。
ソフトバンクの宮川潤一社長は9日に開催した決算説明会で、現在、韓国のネイバーと協議を行っており、中間持株会社の全株取得も選択肢にあるとの考えを明らかにした。