低く!ド派手に!美しく!最新ローライダーカスタムでアメリカンモーターカルチャーを楽しむ『第31回ヨコハマホットロッドカスタムショー2023』
2023年12月3日(日)、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)を会場にカスタムカー&バイクの祭典『第31回ヨコハマホットロッドカスタムショー2023』(以下、HCS)が開催された。HCSは日本最大の屋内カスタムショーにして、国内最高峰のカスタムマシンが集うイベントだ。今回はHCSでも人気のLOWRIDER(ローライダー)に゙注目。その起源を解説しつつHCSに集まったCOOLなマシンを紹介しよう。 【画像】『第31回ヨコハマホットロッドカスタムショー2023』に出品されたローライダーカスタム!
アメリカのモーターカルチャーは人種や出自と密接に関係する
ご存知の通り、アメリカは「人種のサラダボウル」(現在では異なる文化が並立共存する多文化主義の観点から「人種のるつぼ」という表現は最近ではあまり使われない)にたとえられる通り、異なる民族・文化・宗教・出自を持つ移民たちが築き上げた多民族国家だ。そんなアメリカから誕生したモーターカルチャーもまた歴史的・文化的な背景から人種と密接に関わっている。 その中でもっとも古いのが禁酒法時代(1920年~1933年)に登場したHOTROD(ホットロッド)で、第二次世界大戦後になって復員した白人の若者たちが格安で売られていた戦前型フォードの中古車を改造してエンジンをチューンナップしたり、パワフルなV8ユニットに載せ換えてストリートに繰り出したことで盛況を見せた。そうしたことからHOTRODは伝統的に白人文化の産物とされている。 一方、もうひとつのトラディショナルなモーターカルチャーであるLOWRIDER(ローライダー)はチカーノ(メキシコ系)が礎を作った。その発祥は1940年代後半のカリフォルニア州南部とされる。 当時、メキシコなどの中南米諸国からアメリカへとやってきたチカーノの若者たちは、不法就労をする者が少なくなく、低所得に喘いでいた。彼らはクルマを買おうにも裕福な白人のように新車を買うことができない。そこで安価で売られていた戦前型のシボレーなどの中古車を購入し、新車に負けないゴージャスなカスタムを施すことにした。必要なパーツはスクラップヤードを漁り、改造やペイント作業は終業後に自身や友人が務める街工場や整備工場で行ったようだ。 彼らが製作したマシンは白人のHOTRODとは違いスピードを求めてはおらず、車体をより大きく見せるために標準サイズよりも小さなタイヤとホイールを装着して車高を限界まで下げることで見栄えを良くし、どの車よりも目立つことに神経を注がれていた。 シルバーやゴールドなどのベースコートにクリアカラーを何層も重ねてペイントされた「キャンディーペイント」や、メキシコ文化やセクシーな女性を車体に描いた「ミューラル(壁画の意味)」と呼ばれるブラシアート、シルバーやゴールドの派手なメッキ加飾は彼らのカスタムマシンの特徴となった。
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