始業式、妻が自死した日に息子も失踪 「親父酒を飲もう」気付けなかったSOS
厚労省が調査した小中高生の自殺者数の動向を見ると、4月と夏休み明けの9月、10月に特に多いことがわかる。 子どもが深刻な悩みを抱えやすいこの時期、親や周囲は子どもの“SOS”に気づくことができるのか? 自身もクリニックで子ども達と向き合うという精神科医の木村好珠氏は「子どもが言葉でSOSを発信しないケースが非常に多い」と実情を語った。 「小学生の場合、言葉で状況や気持ちを伝えることが難しいことも少なくない。あるいは中高生にも、『いじめに遭っていると知ったら親を傷つけるんじゃないか』などと思い悩んでしまう子どももいる。だが、そんなSOSを出さない子ども達がそれとなく甘えてきたり、なぜか急に口数が増えたり逆に減ったり、笑顔がだんだん減っているなど“ちょっとした変化”を見せることがある」 その上で木村氏は「もしその“変化”に気づけたらお子さんと一緒に安心できる時間を共有してほしい」とアドバイスした。 「話ができた際、いくら心配だからと言って、直接的に『何かあったの?』などと聞くのではなく、子どもを受容し、子どもが安心して伝えられる空間を作ってほしい。ポイントは『何があってもあなたの味方だからね』と伝えた上でお子さんが話した時には、親から結論も示すのではなく、『そっか、そんなことがあったんだね』などとオウム返しで聞くこと。人は続きの言葉を伝えようとする習性があるのだ」 さらに木村氏は「不登校の生徒にとってオンラインも大切な繋がりだ」と強調した。 「不登校の子どもと向き合ってきて意外だったのは『オンラインでの友達はいる』という生徒が非常に多かったことだ。オンラインゲームなどの場合、親はどうしても心配になるものだが、社会と繋がりが完全に遮断されてしまうと、自分の居場所を見出せず、自分を追い込むことになってしまう。社会復帰のためにも、自分の気持ちを和らげるためにも、心がけていただきたい」 (『ABEMAヒルズ』より) 厚生労働省は悩みを抱えている人に相談窓口の利用を呼び掛けています。1人で悩みなどを抱え込まず、「こころの健康相談統一ダイヤル」や「いのちの電話」などに相談してください。 ・「いのちの電話」0570-783-556 ・「こころの健康相談統一ダイヤル」0570-064-556 ・ LINE「生きづらびっと」友だち追加