原始神母、『The Division Bell』30周年アニバーサリー・ツアー開催決定
2023年6月の東京・日比谷野外大音楽堂を皮切りに、ピンク・フロイド『狂気』50周年イベントと題して全国各地を巡り、6月の東京・Zepp Shinjukuで、1年に及んだイベントを無事終えたピンク・フロイド・トリビュート・バンド“原始神母”が、『The Division Bell』30周年アニバーサリー・ツアーを開催します。 2023年末の東京・六本木EX Theater公演では、ホーン隊、チェロ、そして50名のコーラスと「Atom Heart Mother」を披露するなど、年々スケールが大きくなっている原始神母。今年はまた昨年と趣向を変え、1994年に発表された『The Division Bell』の30周年アニバーサリー・ツアーとして11月に長野・金沢・名古屋・神戸を巡ります。 本ツアーでは、実質的にピンク・フロイドのラスト・アルバムと言える『The Division Bell』をフィーチャーしつつ、フロイドの歴史を網羅するような楽曲を演奏する予定です。 [コメント] 原始神母 TOUR 2024 DIVISION BELL ~対~ 30周年に向けて 1994年の年明け、当時LAに住んでいた自分は、春にピンクフロイドのニューアルバムが発売される事、同時にアメリカンツアーが始まることを知り、胸が高鳴った。新曲と共にDark side of the moonも再現すると言う事で、知り合いのフロイドファンもこれは貴重な体験になるとみんなワクワクしていた。会場は郊外のパサディナにあるフットボール会場、ローズボール。チケットを取り、発売されるとDIVISIONBELLを聴き込んだ。当時のアルバムレビューの中には90年代に入ってもギルモアはフロイドの真似ごとやっているとか、批判的なものも見たが、実際に聴いてみると、その音には流れる水や風、地球の大自然と触れ合うようなみずみずしさがあり、当時広がり始めていたNEW AGEと呼応する、フロイドとしてはそれまでにない美しさがあった。同時にアグレッシヴでトリッピー、ハートに来る部分もあり、ブルースギターもうねるという、フロイドのニューアルバムとしてはこれ以上のものはないのではと思えた感動的なアルバムでした。 ロジャーが去って以来さまざまな時期を乗り越えて、ピンクフロイドという特異なバンドとして、辿り着いた新たな場所であり、自分にとっても日常の景色をみずみずしく見せてくれるような音でした。 ツアーが始まる前には、知り合いのカメラマン、ウィリアムヘイムズがアリゾナの米軍基地での大規模なツアーリハーサルの撮影から戻ってきて、照明が凄かったと聞かされた。そして超満員のローズボウルは2日間、巨大な宇宙船と化して、遠い世界に連れて行ってくれた。 のちに「PULSE」という映像作品で世界中を驚かせたツアーは年をまたいで100本以上も続き、この素晴らしいアルバムと共に、1994年は世界の中心にピンク・フロイドがいたと思えるような年でした。 そんなに遠い思い出ではないが、それでももう30年。今年も日本中のたくさんのフロイドファンの皆さんと一緒にお祝いできることを楽しみにしています。 ――木暮”shake”武彦(原始神母・g)