台湾・基隆の歩行者渡線橋、取り壊しが中止に 映画ロケ地や撮影スポットとして有名
(基隆中央社)取り壊しの方針が固まっていた北部・基隆市の渡線橋「中山陸橋」の歩道橋部分について、市は23日までに取り壊しを行わないことを決めた。橋は2001年公開の映画「ミレニアム・マンボ」(千禧曼波)のロケ地として使われ、主演俳優のスー・チー(舒淇)にあやかり「舒淇橋」として親しまれている。 台湾鉄路(台鉄)基隆駅近くに架かる同橋は1976年に完成。線路を挟んだ両側の地区を結ぶ。「ミレニアム~」以外にも韓国映画や広告、ミュージックビデオのロケ地として使われ、写真愛好家やインフルエンサーらにも撮影スポットとして人気だという。 市は老朽化や基隆駅の新駅舎供用開始により線路両側の地区がつながったこと、計画中の基隆メトロの用地確保などを理由に取り壊しの方針を固めていた。複数回にわたる説明会を経て、通行需要がある点や橋周辺でのメトロ計画が未定であることを理由に、取り壊しの停止と修繕を決めた。メトロの路線計画時に再度検討するとしている。 市政府工務処の陳耀川処長は23日、橋は地域の重要な通行路であるだけでなく、多くの市民にとって幼い頃の思い出の場所であり、さらに観光客も撮影に訪れていると説明。再塗装や欄干の修繕、再舗装、照明の更新などを行っているとし、完了後はより明るくなり、通行環境も改善されると話した。 (王朝鈺/編集:田中宏樹)