ロッテ・佐々木は大谷翔平と同じ手順でメジャーへ
【球界ここだけの話】「ROKI SASAKI」の文字が早くも米国内では頻繁に目に入るようになった。ロッテから今オフ、ポスティングシステムでのメジャー移籍を目指すことが容認された佐々木朗希投手(23)だ。いわゆる「25歳ルール」があてはまり、契約金などには制限があり、獲得希望球団が提示する年俸の高さや契約年数の多さはアピール材料にならない。 【写真】佐々木の代理人を務めるといわれているワッサーマンのウルフ氏 山本由伸の代理人も務めた 2017年オフ、日本ハムからメジャー移籍を目指した大谷翔平投手(30=現ドジャース)はエンゼルス入団前に〝書類審査〟を設定した。代理人を務めるCAAのネズ・バレロ氏(61)が獲得希望の球団に対して「育成方法・医療」や「異文化の受け入れ態勢」、「本拠地を置く都市の魅力」など実に7項目のプレゼン資料を事前に提出させた。そこから絞り込んだ球団と直接、ロサンゼルスで面談をする。そうした手順を踏んだ。 今回、佐々木の代理人はダルビッシュ有(38)や千賀滉大(31)、鈴木誠也(30)らを担当しているワッサーマンのジョエル・ウルフ氏(54)が務めるといわれている。大谷とは代理人事務所は異なるが、面談前には、似たような手順を踏むのではないだろうか。7年前の大谷は、二刀流選手としてメジャーで継続的にプレーできるのか、米国では懐疑的な目が多かった。当時はナ・リーグにはDHがなかった状況などもあり、エンゼルスを選んだ。「縁みたいなものを感じた」との理由だった。 西海岸の温暖な気候とアナハイムに日本食スーパーなどがある環境、チームとして二刀流を継続できる方針などがあった。ファンやメディアにもニューヨーク(ヤンキース、メッツ)やボストン(レッドソックス)、ロサンゼルス(ドジャース)に比べ、比較的〝優しく〟そして二刀流としての育成プロセスを我慢強く、おおらかに、長い目で見てくれる空気があった。 今回、佐々木は技術も体力も〝発展途上〟で海を渡る。大きな期待はかけられるだろうが、過度な期待はされない環境。そんな球団や都市の雰囲気を代理人は、探したいのではないだろうか。いずれにしてもポスティングシステムで獲得可能選手として、佐々木はまだ公示されていない。米球界のストーブリーグでは、佐々木が継続的に大きな関心を集めることは間違いない。(山田結軌)