【岩本輝雄】作る、潰す、助ける、点も取る。守田英正の充実ぶりを見て、思い出した2人の元同僚。恵まれた環境で進化していったんだろうね
動きに無駄がない。的確な判断と実行力
ホームで中国に7-0で完勝した日本は、今度は敵地でバーレーンと対戦。5-0でまたもゴールラッシュ。強い。強すぎるね。 【画像】日本代表のバーレーン戦出場16選手&監督の採点・寸評を一挙紹介。4人が7点の高評価。MOMは2G1Aの9番 バーレーン戦の前半は攻めあぐねた印象で、上田のPKの1点だけ。でも後半のスタートから伊東が途中出場すると、すぐに上田の2点目をアシスト。これで一気に勢いづいた感じかな。 その後は守田が2点。小川がダメ押しで1点。後半だけで4ゴール。アウェーとか関係ないね。日本が圧倒したゲームだった。 ベンチに伊東や久保、浅野、小川、中村、田中らが控えている。贅沢な陣容。90分トータルで考えて、戦力的にも大きな差がある。森保監督も誰を使えばいいか。状況に応じていろんな選択肢があるはずだし、嬉しい悩みだよね。 日本の強さが際立った一戦で、とりわけ目立っていたのがボランチの守田。ちょっとレベルが違ったね。3バックのカバーリング、ビルドアップ、中盤での潰し、攻撃陣のサポートなど。ボランチの基本的なタスクをこなしながら、点も取っちゃう。一人で何役もこなすスーパーな活躍ぶりだった。 もともと力のある選手だとは思っていたけど、バーレーン戦では図抜けていた。ボールにもよく触っていたしね。これだけ動き回っても無駄がないというか、的確な判断と実行力でチームをコントロール。戦術眼も相当に高いんだと思う。 守田の充実ぶりを見ていて、2人の選手をふと思い出した。かつてフロンターレで共闘した中村憲剛と大島僚太だ。 守田が流通経済大から加入した2018年、憲剛も大島もフロンターレの重要戦力で、チームはリーグ連覇を目ざすなど、黄金時代を迎えていた。守田もルーキーながら出番を得て、主力の1人として活躍した。 プロ1年目からJリーグを代表する実力者たちと一緒に過ごしていた。その経験値ってやっぱり大きいし、今になって活きていると思う。フロンターレからポルトガルに渡ってからは、Jリーグでは身に付けられなかったもの、足りない部分を補っていったはず。 そういうキャリアを改めて振り返ると、今の守田を見ても納得できる。もちろん、本人の才能や努力があってこそだけど、これまでの恵まれた環境のなかで、着実に進化していったんだろうね。 今年29歳。これからまたどんな風にグレードアップしていくのか楽しみだ。 【著者プロフィール】 岩本輝雄(いわもと・てるお)/1972年5月2日、52歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ/平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた“40メートルFK弾”は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。23年に『左利きの会』を発足。
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