９回表無死、右前打を放つＤｅＮＡ・森敬

◇２１日　「２０２４　ＪＥＲＡ　クライマックスシリーズ（ＣＳ）　セ」ファイナルステージ第６戦　巨人２―３ＤｅＮＡ（東京ドーム） 　３位から勝ち上がったＤｅＮＡがリーグ優勝した巨人に競り勝ち、対戦成績を４勝３敗（巨人の優勝アドバンテージ１勝を含む）として７年ぶり４度目（大洋、横浜時代含む）の日本シリーズ進出を決めた。 　歓喜の瞬間に導く汚名返上の一振りだった。ＤｅＮＡ・森敬が２点を追う５回に反撃ののろしを上げる適時三塁打をマーク。攻略に苦しんでいた巨人の先発・戸郷の外角高め直球を振り抜いた打球が右中間を破った。 　「自分のせいで失点してしまった。なんとしても塁に出る気持ちがあったので、いいところに飛んだのかな」 　安堵（あんど）のコメントを残した森敬だったが、守備では試合開始早々に迷惑をかけていた。１回２死一、二塁で巨人・ヘルナンデスの遊ゴロを捕球後に一塁へ悪送球。まさかの失策で二走が生還した。先制を許した痛恨ミスを取り返した価値ある一振りだ。 　それだけでは終わらない。９回には勝ち越し劇も演出した。先頭で６番手の菅野から右前打。スライダーを仕留めてチャンスメークした。その後、二塁に進塁すると「ハマのフェラーリ」の二つ名を持つ若きホープが本領発揮。足でかき回した。桑原の三ゴロを坂本が一塁に送球したのを確認した直後に三塁へ猛ダッシュ。２死三塁の好機を作り出すと牧の殊勲打で決勝のホームを踏んだ。 　「ここまできたら優勝するだけ。全員で勝ち切りたい」。ＣＳファイナルステージ最終戦の大一番で大仕事。日本シリーズでも存在感を示す。