<サッカー日本代表>ザックがメンバーを入れ替えた理由
11年8月の韓国戦(3-0)や12年6月のオマーン戦(3-0)、ヨルダン戦(6-0)などはインテンシティが発揮された好例だろう。 ところが、今年6月のコンフェデレーションズカップ、8月のウルグアイ戦、10月の東欧遠征と、常にレギュラーメンバーの何人かがケガや疲労、試合勘を失っていて、11人のコンディションにバラツキがあった。そんな状態では連係もままならず、指揮官の求める高いレベルでのインテンシティも発揮できない。 それならメンバーを替えればよかったが、コンフェデレーションズカップでは「これまで主役を演じてきたメンバーで臨むことで改良点を見つけたかった」と語り、8月のウルグアイ戦、9月のグアテマラ戦とガーナ戦では、その「主役を演じてきたメンバー」に柿谷曜一朗を組み込むトライをした。10月の東欧遠征では「ふたつの異なる相手に、ベースを変えずどこまでできるか試してみた」という狙いがあった。 だが、そのザッケローニ監督が今シリーズではメンバーを大きく入れ替えてきた。 結果が出ていないため、何かを変える必要もあっただろう。それに加え、さすがに中2日の試合間隔では、メンバーを入れ替えてコンディションを保たなければ、インテンシティが発揮されず、結果はもちろん内容も得られないと思ったに違いない。コンフェデレーションズカップの際の吉田や、東欧遠征の際の遠藤は、ケガを抱えていたのに起用されたが、今回、別メニューでの調整を余儀なくされた遠藤は2試合とも後半のみの出場に留まり、同じく長友佑都もベルギー戦は大事を取った。 こうしてローテーションを採用したことで、新たに出場機会を得た大迫勇也、山口螢、西川周作がオランダ戦で好アピールし、ベルギー戦では森重真人や酒井宏樹もまずまずの出来。結果として2試合ともフル出場したのは、本田と吉田麻也の二人だけ。長谷部は「今回、出た選手はみんな結果を出した。チームの中で目に見えて競争が増してきている」と手応えを口にした。