忙しいときの救世主! 「がんばらなくていいことリスト」を書き出すと、仕事もメンタルもうまく回る
今の私は、すべてが急ピッチで成長し、心の余裕を失いかけたときこそ、コンフォート・ゾーンを離れない。 ■焦ったときこそ「優先順位リスト」をつくる 圧倒されたり、必死で頑張ったり、恐怖で凍りついたりする代わりに、自分にとって重要なことをさっと書き出して、「優先順位リスト」をつくる。 このリストには、仕事の目標だけでなく、家族のことやセルフケア、自分との約束も含まれている。こうして大事なことをはっきりさせたら、リストを見れば、どこで手綱を手放せばいいかがわかる。何を人に任せられる? 何を延期できる? 何をやめられる? 私が頑張らなくてもうまくいきそうなことはどれ? コンフォート・ゾーンで生きることは、何もかも自分でやることとは違う。それは、サバイバル・ゾーンの生き方だ。 コンフォート・ゾーンで生きていると、他人と快く協力し合える。必要なときには助けを求め、コミュニティを受け入れられる。 「何もかも自分でやらないとうまくいかない」と感じているなら、サバイバル・ゾーンで生きている可能性が高い。そこでは、生き残れるかどうかは常に、努力の度合いと結びついている。 こんなことを読んだり、考えたりしたことはないだろうか? 「他人に任せるには、金銭的な投資が必要だ。自分でやったほうが安くつく」。 わかる。私もそう思っていたから。でも、副業であれ、本業であれ、家事であれ、子育てであれ、全部自分でこなすのは、長い目で見ると、自分のためにならない。成長の初期段階には、降参して助っ人を雇うのは難しいかもしれない。 でも、経験から言えるのは、それが大きな変革をもたらしてくれること。ほかの誰かに投資して、その人を信頼する。そのときあなたは、自分の時間と価値を高く評価しているのだ。
世の中は、助けてくれる人たちでいっぱいだ。コンフォート・ゾーンで生きていると、自分に正直に目を向けて、どんな助けが必要なのかを見極め、恥も罪悪感もなく、助けを求めることができる。 そんなふうに生きていると、心の余裕をなくしてもきちんと分析し、人に任せたり、やめたり、今すぐ取り組まなくていいものは延期したりできるようになる。優先順位リストを短くしたら、コンフォート・ゾーンの高速車線に、ずっと留まっていられる。 こんな生き方をすればするほど、自分に対する信頼も、人生をあまねく導いてくれる知性に対する信頼も高まっていく。信頼し、手綱を手放す時間が長くなればなるほど、物質を超えた神聖な知性との関係も強くなる。 人生は本来安心で、心地よく、充実したものだ、と気づけば、世の中の善いところや公正さ、世の中がますます拡大していくことへの信頼も深まるだろう。「自分より大きな存在が人生を導いてくれる」と信じていれば、勢いに身を任せ、手綱を手放すことができるから、自分に届くあらゆる幸せを楽しめる。私はそう信じている。人生が拡大すればするほど、「世の中は自分の思い通りになるように仕組まれている」と信じることが大切なのだ。 飛行機に乗ったら、どのようなからくりでこんな長距離を空中移動できるのか、知る必要はない。ただ、それができると信頼するだけ。今いる場所を常に正確に把握する必要はないし、どこに向かっているか、乗務員に尋ね続ける必要もない。ただ、飛行機が目的地に連れていってくれる、と信じていればいいのだ。飛行機には空中に浮かんでいられる機能があり、パイロットには目的地まで案内する能力がある、と信じているから、くつろいで旅を楽しんでいられる。 コンフォート・ゾーンで生きているときも同じだ。わりあいスムーズな旅になる、と信じているのは、物質を超えた全知全能のパイロットが、行きたい場所に連れていってくれるから。それがどのような仕組みかは問題ではない。ただゆったり座って、くつろいで、旅を楽しもう。 クリステン・バトラー/作家、ジャーナリスト。全世界で5000万人以上のフォロワーを持つオンラインコミュニティ「The Power of Positivity」の創設者兼CEO。幼い頃からパニック障害などに見舞われ続けた経験をもとに、ありのままの自分を大切にする考え方を伝授する「The Power of Positivity」を設立し、10年以上にわたって「人生をよく生きること」について考察してきた。アメリカ・ペンシルベニア州出身。 長澤あかね/奈良県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。広告会社に勤務したのち、通訳を経て翻訳者に。訳書に『メンタルが強い人がやめた13の習慣』(講談社)、『25年後のセックス・アンド・ザ・シティ』(大和書房)、『マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』(PHP研究所)などがある。