秋も“三日の晴れなし”…8月下旬の暑さ→11月下旬の気温→翌週は関東以西でまた夏日 偏西風がもたらす秋天気の特徴
日曜日の”気温急降下”に注意
この先も平均的には高温の秋となる予想だが、北日本や東日本では20日(日)に気温が急降下して寒くなる。19日(土)は全国的にかなり気温が高く、関東以西は25度以上の夏日になる所もあるので、翌20日(日)にかけての気温落差が激しくなる。 北海道では雪になる所もあるくらいなので、ジェットコースターのように急降下する気温により、体調を崩さないように注意していただきたい。 【画像】秋の周期変化パターン「晴れは丸三日持たない」を週間天気予報で確認する 原因は土曜日に列島を通過する寒冷前線だ。 この前線の後ろには強い寒気と高気圧があり、寒冷前線が列島を通過した後は、西高東低の冬型気圧配置になり、冷たい北風が吹く、というのがこの週末のストーリー。 19日(土)福島と水戸では予想最高気温が29度と真夏日に迫る暑さだが、翌20日(日)は共に最高気温が20度に届かない予想で急に寒くなる。8月下旬並みからわずか1日で11月上旬並みへと季節が一気に進む。 東京でも土曜日の最高29度予想から日曜日が最高22度予想で、さらに日曜日は冷たい風に変わるため、体感的には気温の数字以上寒く感じる。寝具がまだ夏のままという人は、暖かく寝られるように準備しておいた方が良いだろう。
来週は気温乱高下 寒い→暖かい
20日(日)は冬型の気圧配置になるものの、長続きせず一過性の見込み。 このため、寒くなるのは翌21日(月)までの2日間だけで、22日(火)は気温が急上昇して、関東以西では再び25度以上の夏日になる所がある。 気温の急降下と急上昇を繰り返すので、身体への負担が大きくなる。 また、朝晩は気温が下がり一日の寒暖差も大きくなるので、身体の不調が出やすくなる。寒暖差疲労にも注意してほしい。
秋も”三日の晴れなし”
天気は秋の周期変化パターンに変わりつつある。 秋の周期変化とは、「晴れが2日ぐらいあった後に曇り、そして雨」という変化を3日から4日の周期で繰り返す。おおむね1週間で2ループするので、週末に雨が降ると、毎週末に雨というパターンにはまってしまう事がある。 この先の週間予報でも、19日(土)の雨の後、23日(水)に雨が予想されており、約4日周期となっている。 昔から「春に三日の晴れなし」というが、秋の周期変化パターンの場合、晴れは丸三日持たない。 これは偏西風が日本の上空に南下してきたことを示している。 偏西風は暖かい空気と冷たい空気の境目を流れる。 夏は赤道付近で太陽によって暖められた空気が勢力を拡大するので偏西風は北上する。 冬は北極で太陽から受ける熱よりも宇宙に放出する熱の方が多いため寒気が溜まり、冷たい空気の範囲が拡大。これによって偏西風が南下する。 春と秋はこの偏西風が本州の上空にあって、偏西風の下では暖かい空気と冷たい空気を混ぜるような循環が起きて低気圧が発生する。低気圧は約3000キロごとに発生するが、低気圧は偏西風に沿うように1日約1000キロ東に進むため、低気圧が来るのは3日から4日周期となる。 今年の秋は南からの暖かい空気が強いため、「周期変化」になるのが遅かったが、周期変化になったということは、遅いながらも季節が進んでいることを表している。 周期変化になったということは、上空に偏西風があり気温の境目という事なので、気温の変化も激しくなる。 暖かくなったり、寒くなったりを繰り返しながら、ひと雨ごとに寒くなるのもこの周期変化の特徴である。 19日(土)に雨が降るとなると、毎週土曜日が雨の周期にはまってしまわないか気になるところであるが、今後の周期変化を注視していきたい。 さて、週間予報で東京と那覇に雨マークがない。那覇は偏西風から離れているので周期変化になっていないためだが、東京は日本海から寒冷前線が南下してくる場合、雲が2000メートル級の山を越えなくてはならないため、このパターンの場合、雨雲が弱まる傾向がある。 ただ、雨が降る可能性もあると考えておいた方が計画を立てる際に参考になると思う。 まずは19日(土)から20日(日)にかけての気温急変で体調を崩さないように気をつけていただきたい。 三井良浩(フジテレビ気象センター・気象予報士)
三井良浩