さいたま市長選、5選目指し現職出馬か 自民系市議、意欲示すも不透明 立民「方向性は一致」 公明「構図が見えてから」 共産は候補者擁立を進める 維新「検討中」 無所属みらい「総括した上で」 5月11日告示
任期満了に伴うさいたま市長選が5月11日告示、同25日に投開票される。現職の清水勇人氏(62)は進退を表明していないが、5選を目指して出馬する公算が大きい。選挙まで5カ月を切り、現時点で出馬表明をした人はいない。自民系の市議が意欲を示しているが、実際に立候補するかは不透明だ。 さいたま市の新庁舎、圧巻の全景のイメージ
清水氏は昨年12月18日の定例会見で、市長選での自身の進退を問われ、「4年の任期の中でまだ半年近くあるので今のところ、まだ考えていない」と述べ、これまでと同様に日々の自治体運営に全力で取り組む姿勢を強調した。 自身は態度を明らかにしていないものの、5期目出馬に向けて周囲の期待が高いのは確かだ。11月22日に開催された清水氏の市政報告会では、後援会の幹部が「来年は大事な入学試験が待っている。これは2、3位ではなく、1位でなくては駄目なんです」とあいさつ。市内の経済団体や医師会など各団体からも続投を望む声は多いとみられている。 清水氏は初当選直後の2009年に市長の任期を3期12年までとする多選自粛条例案を市議会に提出し、否決された経緯がある。12月3日の市議会12月定例会一般質問で、合併前に岩槻市長だった佐藤征治郎市議(無所属)から多選自粛条例を提案した時と現在の心境の変化について問われた清水氏は「在任期間が長いということだけで、弊害が大きいとは必ずしも言えないと思っている」と答弁した。
4期目の任期中には市新庁舎のさいたま新都心への移転決定など実績を重ねた。一方で、市では昨年4月に発覚した市職員による市有地不正売却事件など近年、不祥事が頻発しており、長期政権のひずみを指摘する声もある。出馬に意欲を見せる自民系市議は埼玉新聞の取材に「長期政権の緩みがある。何もしない姿勢で良しとする風潮があり、所々、正さないといけない」とした上で、立候補するか否かに関しては、「何も決まっていないとしか言えない」と述べるにとどめた。 自民系2会派は会派としての対応については、いずれも「現時点では未定」としている。 最大会派の立憲民主・無所属の会は現職とは初当選時から政策協定を結び、その実現へ協力して取り組んできた。子ども子育てやジェンダー平等など市の課題に対し、幹部は「改善の方向性は会派として一致している」と語った。 公明は現職が態度を表明しておらず、「構図が見えてからの対応になる」とする。
共産は「市民の負担を増やすことしかしていない」などと現市政を批判。共産が加わる市民団体「みんなのさいたま市をつくる会」で、候補者の擁立を進めている。 維新は「対応は検討中」、無所属みらいは「任期を総括した上で対応を決めたい」としている。