現在は年収「400万円」なのですが、5年後に年収「800万円」を目指したいです。800万円になると生活は楽になりますか?
一説では、幸福と感じる年収の限界は800万円といわれています。一般的には、年収800万円は高所得者にあたり、生活のゆとりがあると考える方もいるかもしれません。しかし、所得が多いほど税金が高くなったり、支援制度を受けられなかったりすることもあるでしょう。 今回は、年収800万円の手取り額や主な支出について解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
年収800万円の手取りはどれくらい?
個人の手取り収入は家族構成や住宅の有無などによって異なりますが、一般的に年収800万円の手取り額はおよそ600万円~680万円で、年収400万円はおよそ316万円といわれています。 国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)No.2260所得税の税率」によると、年収800万円の所得税率は、23%(控除額は63万6000円)ですが、基礎控除48万円や給与所得控除(収入金額×10%+110万円=190万円)を含めると課税所得は562万円まで落ちるため、適用される所得税率は20%(控除額は42万7500 円)です。 なお、実際に所得税を計算する場合は、控除の前に収入から厚生年金や健康保険といった費用が差し引かれ、計算結果は個人によって異なります。 一方で、年収400万円であれば、基礎控除と給与所得控除、社会保険料を差し引くと大体の場合は税率5%が適用されます。年収800万円と400万円では適用される税率が15%も変わることが分かります。 ■世帯年収800万円の平均支出はどれくらい? 総務省統計局が毎年行っている「家計調査/家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表」によると、2023年の年収750万円~800万円の世帯における1ヶ月あたりの平均消費支出額は32万6496円でした。 年収800万円の手取り年収は600万円~680万円であり、月収に換算するとおよそ50万円~56万6000円です。平均通りの支出なら毎月17万4000円~24万円程度を貯蓄に回せるでしょう。 一方で、同資料による年収350万円~400万円の平均消費支出は25万8221円で、毎月の手取り額26万3000円(316万円÷12ヶ月)から支出を差し引くと、貯蓄に回せる金額はおよそ5000円です。 支出面で年収800万円と400万円を比較すると、貯蓄額の差はおよそ35倍~48倍になることが分かります。年収が2倍になると、貯蓄できる金額は大幅に上がるようです。