琉球ゴールデンキングスの支柱ジャック・クーリーが強調するチーム愛「沖縄は僕が求めていたものをすべて与えてくれています」
「沖縄が最高の場所であることには多くの理由があります」
今オフ、琉球ゴールデンキングスは、今村佳太など複数の主力選手たちがチームを去った。過去3シーズン連続ファイナル進出が示すリーグ随一の強豪は新たなサイクルに入ったが、抜群の勝負強さを誇る地元出身の岸本隆一、ゴール下を支えるジャック・クーリーというチームの根幹は変わらない。 在籍13シーズン目を迎える岸本はもちろんのこと、クーリーも6シーズン目と外国籍選手としては突出した在籍年数を誇る。琉球の歴史において外国籍で過去に6シーズン以上在籍したのは、永久欠番になったアンソニー・マクヘンリーとジェフ・ニュートンの2人のみだが、クーリーも彼らと同等の功績を残すチーム史に欠かせない存在だ。攻守に渡るハードワークでチームを牽引するビッグマンのチーム愛と忠誠心、新シーズンへの意気込みを聞いた。 ――今シーズンで琉球6年目となります。1つのチームにこれだけ長く在籍することは日本人選手でも簡単なことではありません。どのような思いを持っていますか? 僕にとって大きな意味を持っています。沖縄という島を代表してプレーできること、キングスという組織の一員でいることが大好きですし、沖縄は僕にとって第二の故郷です。1つのチームに6年在籍するというのは本当に特別なことで、できる限りこのチームにいたいと思っています。これだけ長い期間、キングスでプレーできることは幸運です。 プロになって日本に来る前、僕は毎年違うチームでプレーしていました。だからこそ、同じチームで6年目に突入するのは信じられないことです。学生時代を含め僕のバスケットボールキャリアで、キングス以上に長くプレーしたところはないです。現役生活は限られたもので、人生において短い期間です。だからこそ、幸せを感じられる場所でプレーし、成功を収めたい。そして僕はキングスで多くの成功を収め、とても楽しんで暮らせています。お金も大事ですが、幸せや家族の喜びはそれ以上です。沖縄は僕が求めていたものをすべて与えてくれています。 ――これまで在籍したチームと、琉球との違いはどんなところにありますか。 組織としてのプロフェッショナルのレベルです。(琉球の前に在籍した)ドイツやイタリアのチームも悪くはなかったですが、キングスのスタッフはとてもプロフェッショナルですし、施設も素晴らしいです。フロントオフィスは選手たちだけでなく、家族のサポートもしっかりしてくれます。 また、沖縄の人々も僕たちのことを支えてくれます。ファンの皆さんは僕たち家族に対して親切で、いつも歓迎して、愛を示してくれます。だからこそ僕はすべての試合でエナジーを出し、自分のベストを尽くすことができます。沖縄が僕にとって最高の場所であることには多くの理由があります。 ――昨シーズン、リーグ連覇こそあと1勝で逃しましたが、3年連続ファイナル進出という素晴らしい成果を成し遂げました。振り返るとどんなシーズンでしたか。 故障者リスト入りからシーズンが始まったのはタフでした。いつもと同じ流れでスタートを切れず、本来のプレーを取り戻すのは難しかったですが、最終的にいつものプレーができたのはうれしかったです。良いコンディションを保ち、身体を絞ることができていればプレーの質は問題ないと思っています。特にここ2シーズンは適正に体重を落とすことができています。 チームは毎年メンバーが変わり、僕の役割もそれに伴って変化するので、得点やリバウンドの数字が落ちることもありましたが、これまでと変わらぬエナジーを出せていました。相手も数年前と比べて、僕がどんなプレーを得意とするかなどよくわかっています。でも、コーチダイ(桶谷大ヘッドコーチ)は、僕が気分よくプレーできるよう相手の作戦に対処してくれますし、チーム全体として僕がやりやすいようにしてくれています。 ――多数のメンバーがチームを離れましたが、クーリー選手と共にチームの顔である岸本選手は健在です。6年目のコンビとなる岸本選手はどんな存在ですか。 僕たちはお互いを支え合い、一緒になることでより素晴らしいプレーができます。これからもキシ(岸本)と同じユニフォームでプレーできれば、僕はハッピーです。キシは僕にとっておそらくこれまでで一番大好きなチームメートです。常に高いプロ意識を持っている彼と、新シーズンも一緒にプレーできるのはうれしいです。 そして(軸となる選手が変わらない)継続性はとても大事です。これこそ僕がキングスに入って、レベルを上げることができている理由です。日本という環境、チームのシステムがよく分かっているからこそステップアップできる。毎年、状況が変わっていたら大変です。