ドラフト戦線に“投げるカーディーラー”茨城トヨペット・中島悠貴 6球団15人のスカウト視察
ドラフト戦線に“投げるカーディーラー”が売り込んだ。茨城トヨペットの最速151キロ左腕、中島悠貴投手(24=日大)が社会人野球日本選手権関東予選・東京ガス戦に救援登板。3回2/3で4失点、0-5で敗れる悔しい結果に「最後は荒れてしまいました」と悔しがりつつ「真っすぐで押す投球をもっと前面に」と前を向いた。 大田スタジアムの右中間名物、イソノ運動具店の「野球しようぜ!」広告を背に“中島くん”がぐいぐいと直球を投げる。運も味方につける左腕は、普段は茨城トヨペットの筑西神分店でスーツを着る中島さん。「お客さまの要望をお聞きしながら、寄り添いながら車を提案することを心がけています」。商品のことは隅々まで学びつつ「でも最後は車はもちろん、自分を買っていただく意識で」と打者のみならず、顧客とも正面から向き合う。 今年は社会人野球に群を抜くドラフト候補がおらず、この日も6球団15人のスカウトが急浮上中の中島を視察した。巨人大場スカウトは「高めを振らせる力はあるし、鍛えがいはありそうなタイプ」とイメージする。当の中島は「松井裕樹さんや中日のマルティネスのように、絶望感を与えられる投手になりたい」と未来図を描く。そしてアピールは最後の最後まで。 取材対応を終え、汗をぬぐった左腕に名刺を渡すと「申し訳ありません、今日は名刺を持ち合わせておりませんで…」と丁寧におわびされ、そして。 「あ、ところで…普段はどんな車にお乗りでしょうか?」 【金子真仁】