北海道内の貸し切りバス、訪日客優先で学校行事に支障 料金高騰でタクシーに切り替える例も
小中高校の修学旅行や課外授業で子供たちの移動手段となる貸し切りバスの料金が高騰し、道内の教育現場に影を落としている。深刻な運転手不足で稼働できるバスが限られる中、バス会社はより単価の高いインバウンド(訪日客)ツアーに運行を集中させている。移動手段を確保できず、行事の日程変更を余儀なくされる学校も出てきた。 6月14、15両日、北広島市内で開かれた中体連市内大会。市立西の里中(178人)から出場した生徒61人が21台のタクシーに分乗し、会場へと向かった。 「学校行事では利用できないほどバス料金が高騰している。今年はタクシーを手配できたから良かったが…」。小関展彰教頭はそうこぼす。 同校は例年、バス2台を貸し切って生徒を中体連の会場に送迎してきた。だが今年はバス1台の料金が例年の2倍に当たる7~8万円まで高騰。代替手段として手配したタクシーの料金は貸し切りバス2台分より10万円ほど安かったが、バスと同様にタクシーも運転手不足が進んでおり、来年も移動手段を確保できる保障はない。