「どら焼き」から「車」まで植物由来の新素材「セルロースナノファイバー」で排出CO2を削減【SDGs】
静岡放送
TBS系列で展開中の「地球を笑顔にするウィーク」と連動し、静岡県内のSDGsへの取り組みを紹介します。今回は「紙のまち」富士市でも研究が進む次世代の新素材についてです。 <東部総局 青島悠記者> 「私がいま乗っているこの車の車体。金属で、できているように見えますが、実は植物由来の新素材が使われています」 10月、富士市で環境に優しい新素材の国際展示会が開かれ、静岡県内外の企業などから多くの人が参加しました。 コンセプトカーのボディに使われているのは、植物由来の「セルロースナノファイバー」。二酸化炭素を吸収して成長した木材からできている繊維状の物質です。プラスチック製品にセルロースナノファイバーを混ぜることで、使う石油の量、排出する二酸化炭素を減らすことができます。現在は紙おむつなど、身近なものにも使われています。 <日本製紙 畠田利彦富士革新素材研究所長> 「一番身近な物でいうと、どら焼きに代表されるような食べ物。セルロースナノファイバーの持つ保水性、そして滑らかさによって非常に口触りの良い、どら焼きができる。セルロースナノファイバーを使うことによって硬くて強く、しかも軽い」 <東部総局 青島悠記者> 「すごい軽いですし、本当に硬くて丈夫ですね」 鉄と比べて強度は5倍、重さは5分の1と言われていて、バイクなどの工業製品にも適しています。紙づくりが盛んな富士市でも多くの企業が新たな産業として注目し、製紙業で培った技術を、セルロースナノファイバーの生産につなげようとしています。 <日本製紙 畠田利彦富士革新素材研究所長> 「セルロースナノファイバーを使うことによって、誰にでもやさしい世界、社会ができるんじゃないかと期待している。私たちはこの素材の大きな可能性調べていきたい」 地球の未来を変える新素材、セルロースナノファイバーに大きな期待が寄せられています。
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