「クオリティが高すぎる…」スーパーファミコンの性能を超越した「驚異の神タイトル」
■主題歌つきOPに衝撃を受けた『テイルズ オブ ファンタジア』
最後の1本は、現在も続く人気RPGシリーズの原点『テイルズ オブ ファンタジア』(ナムコ/1995年12月15日発売)です。PCエンジンCD-ROM2やプレイステーション、セガサターンなどのメディアがCD-ROMになったことで、ボイスや歌が流れるゲームが一気に増えましたが、それをスーファミのロムカセットで実現しています。 同作のオープニングでは、吉田由香里さんの歌う主題歌『夢は終わらない ~こぼれ落ちる時の雫~』がワンコーラスまるまる流れるという衝撃。初めてプレイしたときには「スーファミでウソだろ?」と驚愕したものです。 戦闘時のグラフィックの美しさやアクションの表現も素晴らしく、バトルボイスも豊富。「リニアモーションバトルシステム」による、まるでアクションゲームのようなバトルも秀逸でした。 スーファミで主題歌やバトルボイスを実現しながら、カセットに特殊チップを積んでいなかったことにも驚かされます。特徴といえば「48メガビットロム」というスーファミ最大のロム容量だけ。つまり大容量と技術力で、主題歌やボイスを実現させた奇跡的な作品なのです。 ファミコンやスーファミの時代には、カセットに特殊なチップを搭載してグラフィックやサウンドを底上げするソフトがありました。そういった開発陣がこだわりと工夫を凝らしたソフトは、ハードの限界を超えるほどのクオリティで我々を驚かせてくれたのです。逆に現在は「特殊チップを搭載してハードの限界を超える」なんてロマンは味わえないので、それはそれで少々寂しい気もしますね。 これまで皆さんが「ゲームハードの限界を超えてるだろ?」と感じたのは、どのようなゲームソフトでしょうか。
山口和則