俳優・柿澤勇人、強豪校でサッカー漬けだった学生時代…“課外授業”が人生の転機に。劇団四季入団当初は「一番下手くそだった」
蜷川幸雄さんの舞台の稽古場は…
2012年、柿澤さんは蜷川幸雄さん演出の舞台『海辺のカフカ』に出演することに。 「蜷川幸雄さんとの出会いの作品。毎日『ダメだ、ダメだ!』と否定の繰り返し。それまではずっと、正確できれいな歌と踊りを届けて、物語をはっきりとした言葉で伝えることが第一だったのですが、蜷川さんに『世の中には汚いもの、イヤなものもある。それを鏡のように映すのが役者だ』と言われて…。とにかく毎日必死でしたね』 ――蜷川さんの舞台では、稽古場で役が変わることもあったとか。 「そういうこともよくありました。だから、みんな自分が出ていないシーンも、『自分だったらこうする』って考えながら、真剣に見てるんですよ。 それで、蜷川さんが『ほかに誰かいないのか?』って言うと『自分にやらせてください!!』と言って、役が変わることもあるんです。稽古場はそれくらい勝負の場でした」 コンスタントに舞台や映画に出演されていた柿澤さんだったが、2016年6月、ミュージカル『ラディアント・ベイビー~キース・へリングの生涯~』でアキレス腱を断裂、入院することに。 「東京公演の千穐楽の前日に断裂。東京公演は“ケンケン”しながら何とかやり終えたのですが、地方公演は上演できませんでした。手術やリハビリは本当に大変だったので、以降それまで以上にからだのケアをするようになりました」 柿澤さんは、その後も『フランケンシュタイン』、『メリー・ポピンズ』、『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』など次々と話題作に出演。次回は三谷幸喜さんとの出会いも紹介。(津島令子) ヘアメイク:大和田一美 スタイリスト:ゴウダアツコ