世界最大の自転車国際会議「Velo-city」最終候補地・愛媛へヨーロッパから視察団
南海放送
世界最大の自転車国際会議の誘致を進める愛媛県。3年後の国内初開催に向けた最終視察が行われました。 きょう松山市の県武道館を訪れた、欧州サイクリスト連盟の担当者。目的は、世界最大の自転車国際会議「Velo-city」開催候補地の最終視察です。 欧州サイクリスト連盟が主催する「Velo-city」。1980年のドイツを皮切りに、デンマークやベルギー、台湾など世界各国で開催されてきました。 ことし6月にベルギーで4日間開かれた会議には、60を超える国と地域から有識者や自転車の愛好家などおよそ1500人が出席。 自転車を活用した街づくりや安全利用などについて議論が交わされたほか、一般の人も参加可能な“バイクパレード”などのイベントが行われました。 県自転車新文化推進課 石丸正雄課長: 「欧米では都市部の走行環境、自転車・人・自動車が完全に分離するという方向にありまして、愛媛も含めて日本はまだまだ遅れている。さまざまな先進的な知見、自転車を活用した街づくりや安全対策などを取り入れて、今後の施策に展開していきたい」
2011年に「自転車新文化」を打ち出し、サイクリングによる地域活性化に取り組んできた愛媛県。3つ程度に絞られた最終候補地のひとつに残っていて、開催が実現すれば国内初の快挙です。 一行はきょう、市内のサイクリングロードや松山城などの観光地を視察、あすはしまなみ海道を訪れる予定ということです。
今治市大三島でサイクリストに人気の宿、WAKKAです。愛媛での「Velo-city」開催に期待を膨らませています。 WAKKA 村上仁美総支配人: 「愛媛が自転車の場所と認められるひとつの契機になると思う」 宿泊客だけで年間1万人ほどが訪れるこちらの宿。海外からのサイクリストが半数を占めていて、特にヨーロッパからの利用者が増えているといいます。 増加するインバウンド客を受け入れようと、今年春には客室を4部屋増設しました。 2年前には大三島や伯方島でシェアバイクの管理、運営業務もスタート。英語に対応したアプリを用意するなどして、受け入れ態勢を整えています。 村上仁美総支配人: 「いち観光地として世界に注目してもらえると期待している。サイクリングだけの目的でない人たちも来てくれたらいいなと思っています」 街づくりと合わせて期待が高まる、ヴェロシティによる経済効果。 いよぎん地域経済研究センター 福田泰三主席研究員: 「5年前に(愛媛で)G20が開催されましたが、そのときに約9億円の経済効果があった計算になっているのでそれに近い数字、それ以上の数字というのももしかしたら期待できるのではないかと」 2027年のヴェロシティ開催地は、来年1月末頃に決定するということです。 いよぎん地域経済研究センター 福田泰三主席研究員: 「会議が開催されたあとの経済効果といいますか、非常に裾野が広い取り組みになると思いますので、いかにして持続可能な街づくりをしていくかという視点が非常に大事だと思います」