ビットコイントレーダーは調整局面に備えている──オプションのデータが示唆
ビットコイン(BTC)が史上最高値を更新する一方で、最新のオプション市場の動向を見ると、トレーダーたちが以前ほど熱心に上昇トレンドを追いかけていないことが示されている。 12月16日には、ビットコインの価格が10万7000ドルを上回り、12月5日の過去最高値をさらに更新し、アメリカ大統領選挙後の累積上昇率は50%を超えたことが、CoinDeskのデータから明らかになった。 この上昇は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領がアメリカは戦略的石油備蓄と同様のビットコイン戦略備蓄を構築すると保証したことに続くものだ。アナリストらは、この好調は来年も続き、来年末までに価格は15万ドルから20万ドルの間になるだろうと予想している。 しかし、デリビット(Deribit)のオプション取引の現在の価格設定は、トレーダーたちが以前のように上昇相場を追いかけているわけではないことを示しており、短期的にはより慎重な見通しを示唆している。 記事執筆時点で、20日に満期を迎えるオプションの25デルタ・リスク・リバーサルはマイナスとなっており、価格下落に対する保護を提供するプットオプションが相対的に豊富であることを示している。12月27日に満期を迎えるプットはコールに対して若干のプレミアムで取引されていたが、3月末満期のリスク・リバーサルはボラティリティポイントが3ポイント未満のコールへのバイアスを示していた。 これは、トレーダーが新たな価格の高騰を積極的に追いかけ、短期および長期のコールバイアスを4~5ボラティリティポイント以上に押し上げた、ここ数週間の傾向とは対照的だ。実際、短期のリスク・リバーサルは、長期のリスク・リバーサルよりもコールへのバイアスが強い傾向が頻繁に見られた。 アンバーデータ(Amberdata)が追跡しているデリビットで成立した最新のブロック取引も弱気の傾向を示している。今日現在、最も取引されているのは、12月27日満期の行使価格10万8000ドルのコールのショートポジションで、次いで12月27日と1月3日満期の行使価格10万ドルのプットのロングポジションだ。 慎重な見方が広がっているのは、18日にアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が25ベーシスポイントの利下げを実施するという大方の予想の一方で、下げ幅が小さくなるか、利下げ自体を停止するのではないかという懸念によるものかもしれない。そのような結果になれば、債券利回りの上昇が加速し、ドル高が進み、リスク資産への投資の根拠が弱まる可能性がある。おそらく、洗練されたビットコイントレーダーたちは、調整局面に備えているのだろう。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin Traders No Longer Chasing Record Price Rally Like Before, Options Data Show
CoinDesk Japan 編集部