日銀の利上げで今後の住宅ローン金利は上昇傾向へ、それでも「変動金利」が有利な理由
もうひとつは資産運用です。変動金利で借りている人は、固定金利で借りているつもりで、固定と変動の金利差額を株式や不動産投資で運用してはいかがでしょうか。株式投資は中長期的には2%~3%のリターンが見込めるので、中長期の資産運用はリスクヘッジになります。反対に、インフレで円の価値が目減りしている中、必要以上の現金を手元に持ち続けるのはおすすめできません。
■団信の保障内容も踏まえて比較検討を ――最後に、現在から将来にかけて住宅購入を考えている人に向けて、住宅ローン選びのアドバイスをお願いします。 何よりも、借りる前にしっかりと比較検討することが大切です。比較することなく、不動産会社から紹介された銀行や近くにある銀行で住宅ローンを組む方も多いですが、住宅ローンは長期高額の借り入れなので、わずか0.1%の金利の差でも返済額に大きな差が出てくることを理解しておく必要があります。 ただ、比較といっても単に一番金利の低い銀行を選べばいいというわけではありません。低金利のネット銀行は審査が厳しく、借り入れのハードルが高いですし、団信(団体信用生命保険)の保障内容も踏まえて選ぶ必要があるからです。 住宅ローン選びのポイントは、審査が通る中から、金利と団信の経済条件が最も有利な銀行を選ぶことです。これを個人でやろうとすると大変ですが、モゲチェックの住宅ローン診断なら、無料で簡単に住宅ローンの比較ができます。個人情報を入力すると、団信の保障内容を金利に換算して、適用金利から団信の保障分を引いた実質的な金利コストをもとに、おすすめの住宅ローンがランキング形式で表示されるようになっています。融資承認確率も表示されるので、融資に通る中から最も条件の良い住宅ローンがわかります。 さらに、PayPay銀行ともう一行では、住宅ローン診断ユーザー限定の優遇金利が設定されているので、公式ホームページ等から申し込むよりも安い金利で借りられます。こうしたサービスも活用しながら、賢く住宅ローンを選んでください。
■塩澤崇(しおざわ・たかし)/株式会社MFS 取締役COO 2006年に東京大学大学院情報理工学系研究科修了後、モルガン・スタンレー証券株式会社にて住宅ローン証券化ビジネスに参画。モーゲージバンクの設立やマーケティング戦略立案、当局対応を担当。2009年、ボストン・コンサルティング・グループで、メガバンク・証券・生保の国内営業戦略・アジア進出ロードマップ等の経営コンサルティングに従事した後、2015年9月より現職。
春奈