8割が耕作放棄地…かつて米どころとして名を馳せた「千町の棚田」守るために必要なことは
山内さん: 「やっぱり棚田はねすごい歴史があるからね。これ(石垣)は人の手で積んだんだぞっていう。ここへ来て泊まってくれてそんなことを感じてくれればそれでいいんじゃないですか」
7月。千町地区の寺で、夏の伝統行事が行われました。 山内さん: 「これを座ってぐるぐる回すだけですよ。これ昔はもっと大きくなかった?」 女性: 「一緒じゃない?子供の時は大きく見えたけど」 3メートルもある大きな数珠をくりながら念仏を唱える「虫祈祷」です。 30年前まで千町で暮らしていた高橋フクエさん(85): 「小さいときから毎年やってるから。ここへ遊びに来て一緒に数珠を回したりしました。昔はねここにお店をたくさん並んでね…楽しかったですよ」 70年前に600を数えた人口は、現在15人ほどに。古くから続いてきた伝統行事。 千町の住民 伊藤賀穂利さん: 「地元の人間はほとんどおらんし、下から来てる人が手伝ってくれるから(虫祈祷が)何とかできよる。やめよういう人もおらんし、でもこれから先はやめるようになると思いますわ」
「イネ」と「ヒエ」見分けられる?高校生たちが悪戦苦闘
田植えから約80日。夏休みも終盤となったこの日、棚田では… 棚田チーム 成高久豊先生: 「こういうようなヒエをとっていかんといかんのよ。米とは違うやろ?ヒエね」 西条農業高校「チーム棚田」のメンバーたちが、米の天敵「ヒエ」の駆除作業を行っていました。
棚田チーム 伊藤政喜さん: 「全然わからんっす。見分けつかんし。あったー?わからんよね」 棚田チーム 得居大次朗さん: 「うわぁ!蜘蛛の巣あった」
一見、イネとよく似ているヒエ。初心者ぞろいの棚田チームには判別が難しいようで…みんなで悪戦苦闘です。それでも… 伊藤さん: 「あっあった。これですね。ヒエです。結構大量に一か所に生えてますね」
棚田チーム 芝快心さん: 「稲の方が粒が大きいんですよ。ヒエの方が小さくて背が低いんですよ」 さすが高校生!あっという間に見分けるポイントををつかんだようです。 成高先生: 「ヒエで負けるから稲が。だから本当は若いうちにやってたら一番楽なんやけどね。もう草刈りが忙しくて手が回らないというのが現状。いっぱいありすぎて」 学校が休みの日に限られる、棚田チームの活動。棚田の管理に十分手が回らないのが、成高先生の悩みです。