「白目」は「暴力的メンバー暗殺」の名残!?…人間の「家畜化」に一役買った、その”誰も知らない”関係
人間を家畜化したのは「人間自身」
人間にも家畜化症候群の症状―強度のネオテニー、小さな頭蓋骨と歯、友好的・協調的な行動―が見られる。しかし、獰猛な野生動物を意図的な選択で尻尾を振るペットに変えたギンギツネのケースとは異なり、誰が人間を家畜化したのか、最終的な答えはまだ出ていない。 今のところ、私たち自身が極端に攻撃的・暴力的なメンバーを殺害することで、自らを家畜化したという説が、最有力とみなされている。その際、平和を大きく損なう者を暗殺することも少なくなかった。前時代的な暴れん坊どもが殺害されたことで、彼らの遺伝子は繁殖できなくなり、その結果、攻撃性、衝動抑制不全、暴力傾向などが弱まっていった。 つまり人間も、のちのギンギツネや、少し前のオオカミと同じように家畜化されたと言える。 『毒矢を放ち続けられ、「ヤマアラシ」のようになった死体…アフリカの部族の処刑から考える、人間が家畜化した“残虐な”理由』へ続く
ハンノ・ザウアー、長谷川 圭
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