『超兄貴』が発売された日。筋肉美をテーマにした独自の世界観が光るシューティング。葉山宏治氏手掛けるインパクト抜群のBGMも最高だった【今日は何の日?】
インパクトは強いけどシューティングとしては堅実 いまから32年前の1992年(平成4年)12月25日は、PCエンジンSUPER CD-ROM2(スーパーシーディーロムロム)用ソフト『超兄貴』がメサイヤ(日本コンピュータシステム)から発売された日。 【記事の画像(13枚)を見る】 『超兄貴』はマッチョなキャラクターが活躍する独特の世界観が話題になったシューティングゲーム。ストーリーも尖っており、大銀河ボディービルコンテストで10連覇の偉業を成し遂げた帝王の“ボ帝ビル(ぼていびる)”が、プロテイン資源の枯渇に悩み、近隣星系を無差別侵攻するというプロローグ。プロテイン採掘プラントを乱立するボ帝ビルに危機を感じた天界が、イダテンとベンテンをビルダー軍の討伐に派遣するというストーリーが展開します。主人公はイダテンとベンテンのふたりですが、ボディビルダーのコンビであるアドン&サムソンのほうが説明書などで目立っているのもツッコミどころでした。 まずは男性神のイダテンか女神のベンテンのどちらかを自機として選び、全5ステージを攻略していきます。イダテンの必殺技“メンズビーム”は一方に撃つビームで、ベンテンの“スプラッシュビーム”は拡散型のビームになっており、ふたりの性能が異なるのがポイント。 オプションであるアドンとサムソンはショットを発射するだけでなく、敵弾を防ぐことにも活用が可能。ただし、耐久力があるので、被弾しすぎると「兄貴……」とつぶやきながら脱落してしまいます。アドンとサムソンを回復させるには敵を倒すと出現する“プロテイン”が必要になりますが、このプロテインは自分自身のショットをパワーアップさせる効果も持っており、自機に使うかアドン&サムソンに使うか迷います。 自機だけでなく敵キャラクターも個性的。シャワーを浴びているセクシーな女性のシルエットで登場したかと思ったら、スクワットをしているマッチョだった“シェル・ジ・アニキ”や、シンクロナイズドスイミングのように襲ってくるふたりのスイマーである“エル&トポ”など、忘れられないキャラクターばかり。また、道中に出現するザコも、のけぞりながら飛んでくるマッチョを始めとても濃いです。 本作の独特な世界の魅力を広げているのが葉山宏治氏の手掛ける音楽。「ドイツ!ドイツ!ドイツドイツ ジャーマン!」の掛け声から始まる“ドイツ人ジャーマン”などCD-ROMならではのボイス入り楽曲がクセになりました。 2024年12月12日には『超兄貴』と続編の『愛・超兄貴』をNintendo Switch向けに移植した『超兄貴COLLECTION』が発売。ゲーム中にいつでも使えるセーブ、ロード機能と巻き戻し機能も用意されているので遊びやすくなっているほか、楽曲を自由に聴ける“サウンドモード”やゲーム内のビジュアルが見られる“ビジュアルモード”も。本作の世界観に浸かることができるのでぜひチェックしてみてください。 『超兄貴』 『愛・超兄貴』 なお、『超兄貴』はコミック版も存在。『アルプス伝説』や『ラブやん』で知られる田丸浩史氏が手がけており、第1話でゲーム版の主人公であるイダテンが死ぬなど、はっちゃけた内容でおもしろいです。こちらもぜひ読んでみてくださいね。 ※画面は『超兄貴COLLECTION』のものです。