【桜花賞】前走内容はGⅠ馬に匹敵 京大競馬研の本命はチェルヴィニア
直近3回との違いに注意
4月7日(日)に桜花賞(GⅠ)が行われる。レース史上最速時計で阪神JFを制したアスコリピチェーノに、同レースで差のない競馬をしたステレンボッシュとコラソンビート、上がり最速でクイーンCを制したクイーンズウォーク、アルテミスSを制したチェルヴィニアなど超豪華メンバーが集まり、大混戦模様の非常に難解な一戦となった。 【桜花賞2024 推奨馬】前走タイムは三冠牝馬を上回る、連対率100%データにも該当! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 現時点で「伝説の新馬戦」と名高いボンドガールが勝った新馬戦から4頭が出走し、この大舞台で再び相見えるというドラマチックな側面でも興味深い。 以下では、本レースが行われる阪神芝1600mのコース形態とそれに起因するレース質、そして想定される展開を踏まえオッズ妙味を考慮して予想する。 まずは阪神芝1600mのコース形態を見る。スタート地点は向正面中間からやや左寄りの地点で初角までの距離は約440m。外回りコースを使用し、ゆったりとした3~4コーナーを回った後、勾配1.8mの急坂を持つ約470mの最終直線を一気に駆け抜ける。 まず注目すべき点は、初角までの距離がそれなりにあり、隊列が定まるまで先手争いが長く続きやすい点だ。序盤のペースは平均からやや速めと比較的流れやすい。その後中盤にかけてペースは緩み、4コーナーの緩やかな下り坂で徐々に加速していく。道中ある程度流れるなかでも、変動するペースに対応しながらしっかりと脚を溜める操縦性と、最後は33秒台の末脚を出す能力が必要とされる。地力がない馬には厳しい。まさに中長距離に似た「総合力」が問われる。 ただし、直近の3年間は京都競馬場改修工事の影響で本レースはBコース1週目の高速馬場で施行された。時計の速い馬場を内枠から好位で運び、ロスなく流れに乗った「上がりを持たない先行馬」の粘り込みが目立っていた。 これは数字からも明らかだ。2011~20年の10年間では4角5番手以内【3-3-2-51】複勝率13.6%、上がり5位以内【10-7-8-33】複勝率43.1%だったのに対し、Bコース1週目だった21~23年は4角5番手以内【1-2-2-11】複勝率31.3%、上がり5位以内【3-1-1-11】複勝率31.3%となっている。大前提としてサンプル数が違うことは要注意だが、2020年を境に4角5番手以内の馬の成績が向上し、上がり5位以内の数字は下がっている。前者を先行力、後者を瞬発力や総合力の指標と考えれば、本レースで好走するための適性が逆転したと分かる。 今年は京都競馬場の改修工事が終わり、開催日程が平時に戻った(Bコース2週目)。再び2020年以前の傾向に戻るのではないかと考える。そして世間的には直近3回での決着から内枠有利のイメージが浸透している。したがって、その3回とは異なるレース質になると踏んだうえで、オッズ妙味を考慮して「外枠で確かな末脚を使える総合力が高い馬」から評価していきたい。 続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位に4番手以内がある先行馬が計8頭。出走馬18頭に対してそれなりに多い。初角までの距離が長いコース形態と合わせて、やはり序盤のペースは平均からやや速めで流れると考える。またその中には操縦性に不安がある距離延長馬や、折り合いに不安がある馬もいるため、3~4コーナーでもあまりペースは緩まないと読む。4コーナーから直線にかけて内に固まった先行勢の脚色が鈍り始めると想定され、その展開なら馬群の外からの押し上げが効き、最後まで末脚を伸ばせる外枠差し馬が最も恵まれる。