「公務員」の初任給は大抵の場合「民間の初任給」より低いそうですが、40代50代になっても民間より低いままなのでしょうか…?
公務員の初任給は一般的に民間企業の初任給よりも低いといわれています。キャリアを重ねる中で40代、50代になった時にどちらの方がより多くの給与を得ることができるのでしょうか。本記事では、40代、50代の給与事情について探ります。 ▼「公務員は安定している」って本当? 定年退職の割合や退職金の平均額を教えて!
公務員と民間企業の初任給を比較
公務員と民間企業の初任給を比較してみましょう。総務省の「令和5年地方公務員給与の実態」によれば、市役所職員(市の一般行政職・試験採用)の平均初任給は、大学卒で18万7673円、短大卒で16万9273円、高校卒で15万6993円となっています。 一方、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると民間企業の新卒者の初任給は、大学院卒は27万6000円、大学卒は23万7300円、専門学校卒は21万4500円、高専・短大卒は21万4600円、高校卒は18万6800円となっています。 大学卒で比べた場合の差は約5万円とかなり大きく、公務員の初任給は民間企業の初任給よりも低く、大学卒や高校卒の初任給に関しては、民間企業の方が明らかに高い水準にあることが分かりました。専門学校卒や短大卒に関しても、民間企業の初任給が公務員の初任給を上回っています。 このことから、初任給の観点で見ると、民間企業の方が経済的に有利なスタートを切ることができるといえるでしょう。ただし、公務員には安定した雇用や福利厚生、長期的な昇給や退職金などのメリットがあります。
公務員と民間企業の40代・50代の年収を比較
総務省の「令和5年度地方公務員給与の実態」によると、地方自治体で働く大学卒公務員の平均月給は、40代で約37万円、50代で約41万円です。これをもとに、年収を「月給×12ヶ月+月給×4.5ヶ月(ボーナス)」で試算すると、40代は約610万円、50代では約676万円となります。 民間企業の大学卒社員の平均年収は、40~44歳が501万円、45~49歳が521万円、50~54歳は540万円、55~59歳が545万円となっています。 公務員と民間企業の大学卒社員の給与には、40代以降に差が広がることが分かりました。初任給では民間企業が公務員を上回るケースが多いものの、年齢が上がるにつれて公務員の給与が安定して増加し、特に50代では公務員の平均年収が民間企業を大きく上回る傾向にあります。