「鉛のように体が重い」吉井怜 18歳で発症した白血病の怖さ「シャワーを浴びても震えが止まらず」
── そんななか、18歳で急性骨髄性白血病を発症。体調の変化など、何か予兆はありましたか? 吉井さん:朝起きると体が鉛みたいに重かったり、外に出て太陽の光を浴びた瞬間に貧血で倒れてしまうようなことがよくあって。当時は実家に住んでいたので、親に車で駅まで送ってもらって、そこから電車に乗って現場に向かったことがありました。ただ、仕事は一度も休みませんでした。貧血は続いていたけれど、ダイエットをしていたから、そのせいかなと思っていたんです。もしかしたら気力で乗り越えていたのかもしれません。
発病する1週間前にCMの撮影をしています。そのときはもう貧血がひどくて、歩くことができない状態でした。控室から台車に乗せてもらってスタジオに移動して、何とか撮影だけはこなしました。CMはたくさんの人が関わるから、やっぱりキャンセルはできなくて。それでも周りにかなり心配をかけていたと思います。
■当初は本当の病名を知らされなかった ── グラビア撮影で行った奄美大島で倒れ、病気が発覚したそうですね。 吉井さん:ロケの前日に高熱が出て、とりあえず解熱剤だけ持って奄美に行きました。最初は風邪かなとも思ったけれど、貧血がひどくて立っていられないくらい。撮影のときだけ立って、フィルムチェンジの間は座らせてもらったり、周りに助けてもらいながら撮影を続けていた感じです。それでも体調はどんどん悪くなっていくいっぽうで、最終日になると熱いシャワーを浴びていてもぶるぶる震えが止まらず、急きょ現地の病院に行くことになりました。
病院では簡単な検査と点滴を受けました。そこで「東京の病院に渡してください」と、紹介状を書いてもらっています。たぶん白血病の疑いがあると書かれていたのだと思います。私はそれより、点滴を打つと顔がむくむな、嫌だな、なんてことばかり気にしていましたね。何より撮影を飛ばしてしまったことが悔しくて、大泣きしながらしながら家に帰ったのを覚えています。 帰宅した日の夜中にまた熱がどんどん上がってきて、汗もすごくて止まらない。次の日起きたら顔がパンパンに膨らんでいて、親がギョッとして。週末でしたけど、慌てて病院にかけこみました。改めていろいろな検査をして、そこで白血病だと判明したようです。ただ私はその時点では再生不良性貧血と言われていて、3か月入院する必要があると聞かされました。