センバツで「金の卵」は見つかったのか?スカウト陣が密かに注目する“有望株”4選手の実名
四国大会で注目を集めた「高知のエース」
2人目は、高知のエース平悠真。昨年の選抜は、3試合にリリーフで登板。当時のストレートは130キロ台後半で、スカウト陣の注目度は高いとは言えなかったが、昨秋の四国大会で最速146キロをマークして、急成長を見せた。今大会は、初戦の広陵戦に2番手で登板し、チームは1対3で敗れたものの、5回を1失点に抑える好投を見せた。 「ストレートの球速は140キロくらいが多かったですけど、ボールの質が良いですね。去年の選抜は、長身(身長183cm)を生かし切れていない様子でしたが、リリースする時に、だいぶボールに指がかかってきたように見えます。(対戦した広陵のエースで、プロ注目の右腕)高尾響と比べても、良い時のストレートの勢いは、平に分があるように感じました。今後、どこかのタイミングで驚くようなボールを投げるのではないかと期待して、視察を続けたいと考えています」(セ・リーグ球団スカウト) 昨秋の明治神宮大会を含めると、全国大会で計5試合に登板している平。いずれもリリーフで起用され、勝ち投手にはなっていない。夏には“不動のエース”として、甲子園に帰ってきて、初勝利を挙げてほしいところだ。
飛躍が期待される「北海のショート」
3人目は、北海のショート、幌村魅影である。幌村は、入学直後からショートのレギュラーを掴んだ。昨年の夏の甲子園は、3試合で4打数3安打と結果を残している。今大会の北海は、大阪桐蔭に1対7で敗れて、幌村自身も4打数ノーヒット、2三振。ただ、第1打席はファーストライナーに終わるも、大阪桐蔭の大型右腕、平嶋桂知が投じた144キロのストレートを痛烈に弾き返している。 「早くから試合で使われているので、持っている能力は高いと思うのですが、去年までは少し軽率なプレーが目立ちました。今大会は、捕球や送球に丁寧さが出てきましたね。それに加えて、プレーにスピードもあります。冬の間に、かなり守備を鍛えてきたと感じました。(身長は176cm、体重は76kgで)体は細いですけど、打撃ではリストの強さが目立ちます。(高校からプロ入りするのはなく)大学に進学して、体が大きくなれば、一気に伸びるかもしれませんね」(セ・リーグ球団スカウト) 今大会、2つのゴロを軽快にさばいた幌村。4回には、4-6-3の併殺打を完成させ、落ち着いたプレーを見せてくれた。北海といえば、中日のルーキーでショートを守る辻本倫太郎(2023年ドラフト3位)が卒業後に仙台大へ進学し、大きくレベルアップして、ドラフト指名を勝ち取っている。幌村も辻本に続くような飛躍を期待したい。