IBF世界王者の岩佐亮佑がV1戦。長谷川穂積氏からの王者心得を胸に。
「上手い岩佐ではなく、強い岩佐を見たい」 器用に距離をとって、さばくボクシングではなく、必殺の左で積極的に攻め込むボクシングを心がけよーーの金言である。11月から週一のペースで山中を指導している中村正彦トレーナーの元、フィジカルトレーニングを取り入れるようになった。主に下半身強化を目的にしており「これまでやってこなかったけれど、パンチの安定感、強さが増したように感じる」という。 「力強く倒せる岩佐をお見せしたい。圧倒的に勝ちたい」 そして長谷川氏にはチャンピオン心得についても説かれた。 「負けるまでやるという考えは捨てろ。目標をしっかりと決めたほうがいい。防衛回数なのか、対戦相手なのか、そういう目的を持って戦うべき」 何度も挫折から立ち上がってきた長谷川だからこそ実体験として伝えられる心得だった。 岩佐は、さっそく目標を立てたという。 「まずは6回防衛。そこから統一とか大きな試合に挑みたい。田口良一も7度目の防衛で統一戦だったでしょう。あのイメージで、今後、防衛を重ねていきたい」 年に3試合のペースで防衛戦を行うことができれば2年で目標であるV6はクリアできることになる。 岩佐はチャンピオンになった“ご褒美”にスポンサーからプレゼントされたフェラーリが有名になったが、「今回はご褒美がありません」と、周囲を爆笑に包んだ。 その高級外車で、一度、祖母を乗せて福島県までドライブをしたが「外国人仕様なのでシートが固いし腰も痛くて」。現在は車庫に眠っていて「眺めて楽しんでいる」という。 すでに奄美大島での走りこみキャンプも終え初防衛戦へ臨戦体制を整えている。