【陸上】多田修平、パリ五輪断念「脹脛まだ完治しておらず」2カ月ぶり復帰レースも10秒60
<陸上:大阪陸上競技選手権>◇22日◇大阪・ヤンマースタジアム長居◇男子100メートル予選4組 【写真】織田記念でスタート直後に足を痛める多田 多田修平(27=住友電工)がパリオリンピック(五輪)の最終選考会となる27日開幕の日本選手権(新潟・デンカビッグワンスタジアム)を欠場すると発表した。22日に自身のX(旧ツイッター)を更新し「本日大阪選手権で試合感を確かめる為に出場しましたが、やはり脹脛がまだ完治しておらず、日本選手権を欠場することになりました。オリンピックを諦める形になりましたが、また来年の東京世界陸上を目指して頑張ります」とつづった。 右ふくらはぎ肉離れにより実戦を離れていた多田は、この日の大阪陸上選手権で約2カ月ぶりにレースへ復帰。1着となったものの、タイムは10秒60(追い風0・9メートル)だった。直後の取材では、日本選手権へ「状態自体はタイムの通りでよくないが、しっかり上げていくしかない」と話していた。 多田は21年東京五輪代表で、自己ベストが日本歴代6位の10秒01の実力者。今季は春先の屋内レースで好記録を連発し、3月の世界室内選手権では室内60メートルの日本新記録(6秒52)もマークした。しかし、屋外レース初戦となった4月29日の織田記念(広島)で右ふくらはぎを肉離れ。好調で五輪シーズンを迎えただけに「ケガをしたのは悔しかった。戻れるのであれば戻りたい」と悔やむ思いもあった。 ただそこで諦めず、友人や関係者からの「まだいける」との声も力に変え、懸命にリハビリを継続。「気持ちが下がることもあったけど、やっていくしかない」と再起をかけてきた。それでも約2カ月での完全復帰は厳しかった。日本選手権で2位以内に入れば代表入りが有力だったが、この日のレース後には「完治しているとは言い切れない。無意識でかばっているところがある」と険しい表情を見せていた。 ◆男子100メートルのパリ五輪への道 出場枠は最大3で、サニブラウンがすでに内定しているため残りは2枠。30日までに参加標準記録(10秒00)を突破した上で日本選手権(6月27~30日)で優勝すれば内定となる。未突破や2位以下の場合でも、同選手権の成績や6月末時点の世界ランキング次第で代表入り。29日に予選、準決勝、30日に決勝が行われる。