日本最大級5000人の街コン「東海コン」はなぜ成功したのか?
■来園者からのクレームはゼロ! オペレーションに尽力 「大型合コン」というある意味特異な巨大イベント。もちろん開催当日も東海コン参加者以外の来園者は受け入れる。東山動植物園の場合、4/27の開催当日はGW最初の日曜日でもあり約3万人の来園者を記録している。そこに5000人余りの東海コン参加者が紛れ込んだわけで、街コンと一切関係なく動植物園での休日を楽しみに訪れた来園者からのクレームなどはなかったのか、若干気にかかるところではある。「前回と合わせ2回の開催を通じて、大きなクレームはありませんでしたよ」と瀬戸さん。 「もちろん開催の前提として最も大きな課題となるのが来園者に迷惑をかけないためのオペレーションですから、事前の打ち合わせと準備を十分に重ねています」。主催の野入さんも口をそろえる。来園者が「動植物園を楽しむ」ことの妨げにならないのが何より重要。そのためメイン会場を動物園エリアに比べると集客の少ない植物園エリアに設置し、歩いて移動してもらう場合も、なるべく動線を広く取る。例えば、動物を見るための通路に東海コン参加者が集中しないように工夫が凝らされているのだ。同じくナガシマスパーランドでも一般客からのクレームはゼロだったという。確かに当日の会場を見回す機会を得た際、きわだったスケールの男女集団に驚いたり、「ああ、これが噂の!」と興味津々で眺めたりするゲストの姿は目に付けど、おおむね誰もがニンマリと受け入れ、東海コン自体、会場にすっとなじんでいるように見えた。出会いを求める若者がいたら応援してやる…というのは人たるものの自然な情なのかもしれない。東山動植物園、ナガシマスパーランドともに、次なる開催にも歓迎の姿勢を見せているようだ。
■開催を重ねるたびパワーアップし続ける企画力も勝因 「先日のナガシマスパーランドでの開催は、今までで最も充実したものになったと思っています」と主催の野入さん。全6回の開催を通し、出会うため、さらに仲良くなるためのゲームや企画について、良い点はブラッシュアップし反省点は改善を繰り返し、よりよい東海コンを目指し続けている。ちなみにナガシマスパーランドの開催では、1度に約3000名が参加する大フィーリングカップルゲームを開催。どんな消極的な参加者にも多くの出会いのチャンスを得てもらうための初めてのチャレンジだった。「新しい試みということもあり改善すべき点もありますが、出会い疲れしてしまうほどの数の出会いを提供できたのではないかと」と野入さんは達成感をのぞかせる。主催者側の工夫と回を重ねるごとの進化。それも東海コン成功の要因として挙げてよいのではないだろうか。 用意した会場に出会いを求める男女を同じ比率で集めること、出会って、仲良くなれる仕掛や企画を用意すること。主催者側にできるのはそこまで。今回の東海コンが本当に成功だったのかどうかというのは、実のところあくまでも参加者が決めるべきことだ。確かに東海コンは出会いたい人が集まる特別な場所であり、出会いのきっかけがこれでもかというくらいにあふれている。「ただそれを生かしていただけるかどうかはどこまでいっても参加者様たちの“勇気と行動力”にかかっています」と野入さん。すでに夏の開催も予定されている。舞台は名古屋駅近くの柳橋市場のビアガーデンだとか。夏の夜の運命の出会いに備え、今から勇気と行動力を準備してはいかがだろう。 (編集プロダクションエディマート 大塚亜依)