日本最大級5000人の街コン「東海コン」はなぜ成功したのか?
■人気レジャースポットでの開催が参加しやすい雰囲気に バラエティに富んだ数多くの街コンが引きも切らず開催される中、継続してこれほど多くの人数を集められる要因としては、まずロケーションの魅力が挙げられそうだ。東山動植物園はこのエリアでは誰もが幼い時からなじみのある人気スポット。東山エリアという街なかという気軽にアクセスできる立地も街コンには絶好だ。一方、ナガシマスパーランドは東海地方を代表する大型レジャーリゾート、ナガシマリゾートの核となる遊園地。若者の間での人気ぶりは群を抜いている。どちらも「行くだけで楽しいスポット」というイメージは参加者の心にワクワク感を与え、参加へのハードルを下げたのではないだろうか。主催会社AOIの野入さんは言う。 「とくに最初は“こんな場所で街コンをやるとは!”という驚きも魅力になったかと。さらに規模が大きいことで、今まで街コンに参加したことがない方でも気軽に参加しやすい空気感をつくれたのではないでしょうか」。 ■巨大街コンの場として活用される施設側のメリットとは? とはいえ「男女の出会う合コンの場」としての活用にあたり、施設側は抵抗がなかったのだろうか。とりわけ東山動植物園は、名古屋市が運営する公的施設。スムーズに事は運んだのか気になるところではある。東山動植物園広報担当の瀬戸さんは語る。 「確かにいくらかの苦労はありましたね。企画を通していく中で、戸惑いもありました。ただ動植物園にとってメリットの方がずっと大きいと確信していたので前向きな考え方をすることで、実現にこぎつけました」。 そもそも東山動植物園来園者のメインとなっているのは子どもの遠足やファミリーのレジャー。20代から30代前半のいわゆるF1層、M1層の獲得が常なる課題ともなっていた。そこに目を付けたのが、まさにその層の独身男女の集客には圧倒的な強さを誇る東海コン。「動植物園はデートスポットとしてもぴったりな場所ですから。活用してもらわないともったいないじゃないですか」とAOIの野入さん。つまりは両者にとって絶好のマッチングとなったわけだ。ふだんは縁のなかった人が東山動植物園でパートナーと出会えば輝かしい思い出の場所となる。現在は園内にウエディング施設もあるため、デートだけでなくブライダル、さらに子どもができれば家族でのレジャーにと、ライフステージごとに活用してもらうこともできるだろう。 「一人でも多くの方に動植物園のよさを知ってもらい、ファンになってもらえたら何よりも嬉しい。だから開催を決めたんです」と動植物園の瀬戸さん。 ナガシマスパーランド側も同じだ。ナガシマリゾート内には遊園地だけでなく、なばなの里にアンパンマンミュージアム、温泉施設、ホテル、巨大なアウトレットまでそろい、ファンが増え、人生を通じてリゾート全体を活用してもらうことのメリットは計り知れない。 「東海地方を代表するテーマパークである私どもの遊園地と、同じくこの地区を代表する巨大イベントの東海コンさんのマッチングがどんな形の盛り上がりを見せるのか、という好奇心もありましたね」と、ナガシマリゾートの倉澤さん。