焼き肉店「倒産」ナゼ? 輸入牛肉が高騰 円安以外の理由は? 背景に韓国事情も…【バンキシャ!】
日テレNEWS NNN
今年、焼き肉店の「倒産」が過去最多のペースとなっています。その大きな理由が輸入牛肉の高騰。背景の一つにあるのは円安ですが、お隣りの国・韓国も関係している可能性が――。「バンキシャ!」は現地で取材しました。(真相報道バンキシャ!) 【図解】みなさん、魚食べています?肉類と魚介類の消費量 ◇ 6日、バンキシャ!は、東京・八王子市の焼き肉店へ。 バンキシャ! 「焼き肉の煙が充満していて、いいにおいです」 ──きょうはどういった? 女性客 「パパの退院祝いと、息子がきょうお遊戯会があったので、そのお疲れさま。お肉で体力戻さないと、と思って」 多くの人でにぎわうこの店。ある逆転現象が起きていた。 焼肉大関・藤木英之社長 「今まで輸入牛って安定して使いやすいのもあって、使ってきてると思うんです。下手したら、国産の方が安いものもあります」 これまで安かった輸入牛肉が、部位などによって、国産の牛肉よりも高くなっているという。 輸入牛肉の仕入れ価格はどれくらい変わったのか。ハラミの仕入れ伝票では、4年前は1キロ2300円だったのが、今年5月にはおよそ1.7倍の3950円に値上がりしていた。 バンキシャ! 「すごい上がり」 焼肉大関・藤木英之社長 「半端じゃないです」 その理由について、藤木社長は「円安の影響が相当あるんじゃないですかね」と話す。さらに、電気・ガス代や人件費なども値上がり、窮地に立たされている焼き肉店もあるという。 帝国データバンクによると、焼き肉店の倒産件数は去年1年間で22件だったが、今年はわずか半年ですでに20件と、過去最多のペースとなっている。その要因の一つに円安による輸入牛肉の価格高騰があるという。 ◇ ただ、価格高騰の理由は円安だけでないという指摘も。取材を進めると、お隣・韓国で興味深い証言が…。 韓国・ソウル。町に立ち並ぶのは多くの焼き肉店。店先に貼られたメニューには──。 バンキシャ! 「こちらの焼き肉店、豚肉と一緒に牛肉も販売している」 「こちらの看板にも牛肉のセットと書いてあります」 実は近年、韓国では1人あたりの肉の消費量が増えており、牛肉の消費量も増加傾向にあるというのだ。焼き肉店で、使われている肉を見てみると──。 バンキシャ! 「牛肉は100%アメリカ産」 焼き肉店・オーナー 「アメリカ産牛肉の消費量は増えています。お客さんは、値段の高い韓国産の牛肉よりも、安いアメリカ産の牛肉を好んで食べています」 韓国では、国産よりもアメリカ産の牛肉の方が比較的安いため、大量に仕入れやすいという。 今年1月から4月にかけて、アメリカが牛肉をどの国と地域に輸出したかを示したグラフ(米国食肉輸出連合会の統計資料から作成)では、韓国は人口が日本の半分以下だが、日本とほぼ変わらない割合となっていることがわかる。 韓国政府は、アメリカ産牛肉を巡る競争が価格上昇の要因になっているのではと指摘する。 韓国農林省・畜産経営課の担当者 「アメリカ産牛肉の主な輸入国である韓国・日本などが、限られた量の牛肉を取り合うことで価格競争がおきてしまっているのではないか」 ソウルでは、韓国産よりもアメリカ産を好むという声も聞かれた。 ソウル市民 「食べ放題ならアメリカ産です。スーパーでもアメリカ産です」 ソウル市民 「安いアメリカ産牛肉のおかげで生きていけます」 精肉店にもアメリカ産牛肉が並んでいた。 精肉店・オーナー 「若い世代がYouTubeやインスタグラムで、牛肉の料理方法を広めています」 「特にアメリカ産牛肉は質がいいので、需要はこれからも増えると思います」 ◇ 韓国との価格競争が起きている可能性がある中、日本国内の焼き肉店はどうなっていくのか──。 焼肉大関・藤木英之社長 「本当に輸入牛が上がりすぎたので、国産で代わりになるものあれば国産で出して」 今後、慣れ親しんだ店の味にも変化がでてくるのかもしれない。 (7月7日放送『真相報道バンキシャ!』より)