「低体温症」対策は保温・加温がポイント カイロの有効活用術など 専門家解説【能登半島地震】
能登半島地震を受け、注意が必要な「低体温症」について、地域防災の専門家である金沢大学の青木賢人准教授が対策方法を解説します。 【写真を見る】「低体温症」対策は保温・加温がポイント カイロの有効活用術など 専門家解説【能登半島地震】 ■専門家に聞く「低体温症」対策 松村玲郎キャスター: 震災から今日で10日目。この先、被災地にとって必要となってくる防災対策について教えていただけますか? 青木准教授: 今、被災地で一番懸念しているのが、低体温症への対策になります。 「低体温症」とは脳や内臓など体の内部の温度が下がってしまうことを言います。深部の体温が35℃以下になると激しい震えや判断力の低下といった症状が現れ、最悪の場合死に至ることもあります。 対策としては、「保温」と「加温」がポイントになってきます。 【低体温症対策】 ▼防寒着 重ね着する、中に雨がっぱを着る ▼新聞紙の活用 腹に巻く、袋に詰めて中に足を入れる ▼段ボールの活用 床に敷いて簡易ベッドに ▼カイロの有効活用 熱が残った状態で密閉袋へ→一時的に熱が冷め再利用可能 まず、防寒着をしっかり重ね着したり、中に雨合羽を着て体の周りに空気の層を作っていただく。それから、新聞紙の活用も非常に有効になります。お腹に巻いてお腹に空気を溜める、それから袋の中に新聞紙を丸めて詰めて、足を入れる。足の周りに空気の層ができるので、非常に暖かく過ごすことができるようになります。 兵藤キャスター: 私の手元に、袋の中に新聞紙が詰められています。ちょっと足を入れてみますね。半分ほど入っているんですが、新聞紙が温かいですね。 青木准教授: 体の熱を外に逃がさないようにしていくことで保温する対策になります。 その他にも、布団の下にダンボールを敷いて、薄くてもいいから空気の層を作っていただくことも重要になります。 それから「加温」は使い捨てカイロも非常に有効です。ただ、数に限りがあるので1回使ってしまうとダメになってしまいますが、途中まで使った後、まだ使えるうちにチャック式の袋にいれて、密閉してください。
そうすると、袋の中から空気がなくなるので酸化しなくなって、温かさが残っていきます。また開けると使えるようになりますので、そういう形でカイロの寿命を延ばしていただいて、暖をとってください。
北陸放送