キャッシュレス生活で子どもは算数ができなくなる?ほんもののお金を使ったお店屋さんごっこで積む実体験
子どもたちが先の見えない時代を生き抜くために、専門的な力を身に付けさせたい。そういった思いから「子どもを理系にしたい」という親が増えている気がします。確かに、どんなにテクノロジーが進んだ社会になっても変わらず求められるのは、テクノロジーそのものを生み出し、その真価を前へ推し進める知性でしょう。単位学力が高いだけでなく、目標に向かう方法や問題解決手段を自分で考える力があるか、努力する活力がありそれを持続させることができるかということが重要になります。 先取り学習や繰り返しのドリル学習では本物の理系力は身に付きません。大切なのは「数の感覚」や「理系的なものへの好奇心」をどう育てていくかです。本コラムでは、子どもを理系に育てる具体的な方法をお伝えしていきたいと思います。 【図解】「実物遊び」で数字と向き合う *本記事は『理系が得意になる子の育て方』(西村則康・辻義夫、ウェッジ)の一部を抜粋したものです。
小銭を使って駄菓子屋さんごっこ
数の理解を確かなものにしたいなら、保育園・幼稚園の年中さんか年長さんでやるといい家庭の遊びがあります。それが、硬貨を使った駄菓子屋さん遊びです。ポイントは、実物のお金を使うという点です。 キャッシュレスが推奨される昨今、昔のように子どもが小銭を握りしめて駄菓子を買いに行くというような機会は消滅してしまうかもしれません。大人も現金を使わなくなっていますから、子どもはお店やスーパーで現金のやり取りを目にする経験すら減っています。また、衛生上の理由から触らせないようにしているというご家庭も増えているようです。 しかし、物の金額というのは、本当に数のいい勉強になります。そこで、まず家にジャラジャラある小銭をまとめます。そして、子どもに好きな駄菓子をいっぱい買ってあげてください。チョコやクッキーのアソート大袋菓子を多種類購入し、セレクトさせてあげるのもいいでしょう。 さて、遊び方ですが、イメージはごく普通のお店屋さんごっこです。たとえば、「全部1個5円です」ということにしてお菓子に値段をつけ、子どもにその日のお小遣いを渡します。30円でも100円でも、お子さんがわかるだろう範囲の数字であれば金額はいくらでもいいのですが、最初は1円玉だけで。慣れてきたら、1円玉、5円玉、10円玉を混ぜていくのがコツです。