初冬の山里彩る行列 国の重要無形民俗文化財「木幡の幡祭り」 福島・二本松
日本三大旗祭りの一つで、福島県二本松市東和地域で約970年の伝統を誇る国指定重要無形民俗文化財「木幡の幡(はた)祭り」は1日、同市木幡地区で行われた。氏子衆が高さ約9メートルの色とりどりの五反幡(旗)をなびかせ、初冬の山里を練り歩いた。 九つの堂社(地区)から約300人の氏子衆らが参加した。白装束に烏帽子(えぼし)姿で大小約50本の旗を担ぎ、木幡山(666メートル)にある隠津島神社まで約8キロの道のりで幡行列を繰り広げた。初参加する若者(権立(ごんだち))の成人儀礼「胎内くぐり」も行われた。 祭りは1055(天喜3)年の前九年の役で、陸奥国鎮定に向かった源氏の軍勢が敗走し木幡山にこもって戦勝祈願したところ、雪に包まれた山の木々が源氏の白旗に見え、追撃する安倍貞任軍が退散したという伝説に由来している。
福島民友新聞