突き付けられた「オール1」の通知表 フリースクールで学ぶ不登校生徒 今後の進路まで狭めてよいのか
こう話す與儀統括指導主事によると、学校とフリースクールではそもそものカリキュラムが違い、学校現場からは「評価しづらい」という声がある。きちんと評価ができる体制づくりには「課題はかなり大きい」。 教育委員会が今できることは “丁寧な情報共有や意見交換” に努めることだという。 課題解決には時間がかかりそうだが、こうした話し合いの場は、民間のフリースクールと行政が協働する取り組みの一歩となる。 ▽連絡協議会・西山哲平代表 「まずはお互いの世界を知るということがとても大事だと思っています」「お互いの場所で育っている子どもたちの姿を通して互いの世界を知っていく。そして信頼関係を深めていくことがまず必要」 ▽琉究学舎こてらす・翁長有希 代表 「フリースクールが、単純に “不登校の居場所です” ということではなくて、今後は公立・フリースクールも含めて、学びを保護者と子どもたちがちゃんと選択していくという、一つの選択肢になるべきだと思っている」 <取材MEMO> 統一的なカリキュラムがないフリースクールにおける子どもたちの「学び」は、スクールによって様々だ。認知も進んでいない。普通学校側からすれば、一人ひとりの子どもが何をどう学んでいるのかが見えず、「オール1」を付ける理由になっている。 しかし様々な事情で学校に通えず、フリースクールを選択する子どもは少なくない。学校にその姿が見えないからといって、最低評価の成績によって今後の進路の可能性まで狭めてよいのか。社会に出るための “準備期間” を学校で過ごせない子どもにも目を行き届かせるため、行政や学校、フリースクール側の相互理解を深めることが不可欠だ。日々成長する子どもの学びは止められない。(取材 山田耕平)
琉球放送