【毎日書評】年末の大掃除も欲ばらない。人生を豊かにする「掃除」の心得
毎日1分間掃除をする
年末の大掃除に限らず、掃除は始めるのが億劫であるもの。そこで、忙しい人にも無理なく取り組めるように、「1日1分以上掃除をする」という簡単な目標をたてることを著者は勧めています。 1分であれば、すでにやっている方も多いと思いますし、忙しくても、私のような怠け者でもできると思います。目標は簡単なものに設定して、達成感を味わいやすくすることが、習慣化するコツです。(171ページより) 床に散らばっているものがあれば、それを片づけるのもよいでしょう。窓が汚れていたら、布で拭いてもいいかもしれません。いずれにしても、1分だったら簡単に取り組めるわけです。(171ページより)
掃除は達成感と集中力を得やすい
1分やるだけでも、結果的にきれいになれば気持ちがよいものです。しかも、「きょうは1分間掃除をした」という達成感を味わうこともできるでしょう。 達成感というのは満足の心です。欲ばりとは反対の心ですね。欲ばる心は、現状に対する不満や欠乏感でもあります。ですので、満足を味わうと、欲ばる必要がなくなるのです。(172ページより) たしかに掃除は、簡単に達成感を得やすい行為です。つまり、欲ばらないための簡単な練習として最適だということ。そして、汚れを見たらパッと掃除をする習慣は、心の欲に気づいたらパッと手放すことにもつながるといいます。 1分間掃除をすると、ものたりないな、もっときれいにしたいという思いが湧くかもしれません。それは建設的な欲ですので、時間が許すならば、プラスアルファとして、もっと掃除をすればよいのです。(172~173ページより) また、掃除は集中力が発揮されやすい行為でもあるようです。一生懸命掃除をしていると瞑想をしているような“集中した心”になりやすいため、心もスッキリときれいになりやすいというのです。(172ページより)
大物を断捨離する
掃除には手順があります。部屋が散らかっていたら掃除機をかけることもできませんので、まずは床に置いてあるものや、大きなゴミを片付けたり、処分することが必要です。(173ページより) 自分の部屋が“汚部屋”になっていたり、自宅がゴミ屋敷のようになっている人は、まずは大きなものを片づけ、捨てるだけでも大変でくぁるはず。そこで、まずは床がたくさん見えるようにする作業をするべき。 不要な家具、壊れた家電、見ることのない書類、着ることのない服、使うことのない玩具や趣味の道具、読むことのない本や雑誌、埃をかぶった健康・美容器具などは、どんどん捨てていくことが大切。 価値がありそうなものならリサイクルショップに売ってもいいでしょうし、不要なものが多すぎるなら、家事代行業者などのプロに依頼するのもひとつの手です。 部屋が汚い人は、必要なもの以外は、どんどん断捨離しましょう。不要なものがなくなると、ものと心はシンクロ(同期)するので、心がスッキリして貧る心もなくなっていくのです。(174~175ページより) また断捨離や片づけを習慣にしていると、不要なものを衝動的に買うようなことも少なくなっていくものだといいます。バーゲンセールや、商品を魅力的に見せる広告を見ても、「本当に必要なのか」と冷静に考えるようになれるわけです。なぜなら、手に入れたあと、片づけたり捨てたりする手間がかかることが想像できるようになるから。 つまり大物を断捨離することには、新たな物欲を抑制する効果もあるということです。(173ページより) 私たち人間は欲をよく知り、欲ばりすぎず、節度のある理にかなった考え方や行動をすることで、よりよく生きられると著者は述べています。そうした生き方を実践するために、本書を参考にしてみてはいかがでしょうか。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! Source: フォレスト出版
印南敦史