「防災意識高めて」大学生が体験型ワークショップで簡易ベッド作成
大阪経済大学(大阪市東淀川区)が災害発生時に避難所生活の苦痛を少しでも和らげる体験型ワークショップをこのほど開催し、買い物客らが参加して防災意識を高めていた。身近にある段ボール箱を利用して、すばやく簡易ベッドを作る技術が紹介された。 生涯健脚でマイ防災力アップを 大経大教授「いざというときの自信に」
ワークショップは「避難所サバイバル訓練」で、同大学キャンパス近くの商業施設で開催。折りたたまれた古い段ボール箱を使って、簡易ベッドを作る方法が公開された。 イベント会場を避難所に見立て、大学の危機管理担当職員の指導で学生たちが段ボール箱を組み立てていく。箱内部の空間部分に段ボール板を折って差し込むと、補強材の役割をはたす。段ボール箱を同じ高さにそろえて、周囲をガムテープで固定。段ボールの上にシートを敷くと、ベッドが現れた。 作業を見学していた子どもたちが招かれて避難所内へ。子どもたちには遊び場に見えたのか、ベッドの上で飛び跳ねたり、段ボール板をふとん代わりにベッドに寝そべってくつろいだり。いささか意外な展開だが、やや弾力のある段ボールの感覚を楽しんでいるようだ。
12月1日に健脚で災害に強いまちづくりを目指すウォーク大会実施
小学2年生の女児に体験させた40代の父親は「段ボール製のベッドが子どもたちのジャンプに耐えるほど強いのには驚いた。災害発生の緊急時に役立てたい」と話した。 平面的で閉じられがちな公共スペースでは、手ごろな高さのある段ボール箱が子どもたちの遊具になるのは、自然な流れかもしれない。避難所生活の長期化を想定し、子どもたちが安心して羽を伸ばせる立体的な遊び場を、段ボールを含めた身近な素材で作ることも、今後の検討材料のひとつになるのではないか。 訓練では段ボールを使って区画を指定し、プライバシーを守る間仕切りも作られた。チラシ食器やキッチンペーパーマスクなど簡単に作れる防災グッズの製作体験会や、避難所生活のストレスを和らげるタッピングタッチ講座も開かれた。 同大学では12月1日、健脚で災害に強いまちづくりを目指す「OSAKA5GO!WALK」を開催。ウォーク大会と併せて防災教室も企画している。詳しくは同大学の公式サイトで。